くるくるばたばた

漫画とかラノベとかその他について適当に書くブログ。SS書きたいと思ったりもしてる。いまは主に東方とか。

『スイート☆ライン』
 ちょっと悪い意味でいつもの有沢先生だったかもなあ。
 文章の書き方としては、まったくいつもの有沢先生(ほのぼのバージョン)。なんだけどこれって改行がとても多くなる書き方なので、ページ数の割りに内容が薄くなる傾向がある。ほのぼのな有沢先生だと、一冊にいくつかのエピソードを盛り込んで、扱う話とキャラ数を増やすことで(少なくとも見た目的には)一冊あたりの話の密度を保っている印象だったんだけど……。
 今回は、一冊丸々使って導入部分。いくつかのエピソードに分かれてはいるけど、はっきりいって繋がった一つのお話に見える。するとやっぱり、話の薄さが際立ってしまうんじゃないかなと思うのです。
 続く話が面白そうで、最終的にはいい作品になってくれるんじゃないかなと思わせてくれるのもいつもの有沢先生なので、それは救いなのですが。この一冊だけだとちょっと物足りないかも。
 あと、誤字というか文章の中でのミスっぽいのがちょこちょこあるのもいつもの有沢先生。これどうにかならんのかなほんと。
『バカとテストと召喚獣6』
 姫路さんですね。姫路さんでした。
 面白いかどうかというならもちろん面白かったのですが、ラブコメ的には、だんだん……こう、間延びしてってるというかですね。進行の密度がだんだん薄くなってきてるなあという印象が抜けきらないのは何故かしら。こんなふうに言うほどでもないはず、とも思うんだけど……。

 考えられる原因としては……メインヒロインが二人、五巻のお姉さんみたいな新キャラもいるから二冊あるいは三冊のペースでメインが回ってきて、それが延びてるように感じるとか。しかしそんなことも無いような気がする。
 うーん、姫路さんと美波がお互いに認め合っちゃってるから、かなあ。ライバル関係が非常に生ぬるいから、明久の鈍さもあいまって、どちらかが決定的な行動に出たかと思いきや元の鞘に収まって、が繰り返されちゃってるような……。

 だって実際さ、この六巻だけを読んだ人が、「三巻ラストで美波は明久にキスしてる」って言われて信じるだろうか?(六巻の中にその件に関する記述があった気がするから実はこの問い自体アレなんだけど、もののたとえですよ。そんなことがあったにしては、関係性の推移というか……そのへんが明らかにストップかけられてるというか、後退すらしてね? という)

 いちおう七冊を出してるシリーズとしては全体的にローペース(あまり褒めてない)で、この一冊での進みもわりとローペースかなあと思いました。
 ようするに美波が脇に追いやられてるのが悪かったんだな!(´・ω・`)ヌリカベカワイソウデス

『"文学少女"見習いの、初戀。』が蛇足にならないことを願って。
「きみ、まだ部活やめないの?」
「ええ、こんなに毎日冷たくされても通い続けるなんて、わたしもマゾだと思います。でもだんだん慣れてきて、先輩の嫌そうな顔を拝見するのも快感になってきたので、明日も明後日もお世話になります」
「それ、マゾじゃない! サドだ! ぼくが、きみにいたぶられてるんだ!」

 あー、予想通りといえば予想通りのキャラだったけど、しかし文学少女見習いの子は可愛いなー。心葉との掛け合いも見てるぶんには遠子先輩とのものよりも面白いかもしれない。とかく本書に目を通し、井上心葉はやはり受けの子なんだなあと確信する限りです。自身も受けである琴吹さんには荷が重かったと言わざるを得ません。

 とても面白かったのですけど、このへんどうするんだろうなーと疑問に思う部分もいくつかあって。
 アフターもの──広義には、あるお話のその後を取り扱ったお話の一種であるといえると思うんですけど、そのわりに、既に結末にたどりついたお話の主人公であるはずの井上心葉が、予想したよりも絡んできてるんですよね。
 これまでのシリーズを経て、読者が井上心葉の心情をほぼ完璧に理解できていることもあり、この作品における彼は元主人公というよりも、日坂菜乃のパートナー、彼女に並び立つもう一人の主人公という属性に近いような感じがして……立ち位置的には今までのシリーズで言うところの遠子先輩なんだけど、読者がその内面を理解できてるかどうかということにより、印象が大きく違っちゃってる。

 んー、何が言いたいかというと、この期に及んで心葉の話か? という印象があるんですよね。彼の話は一区切りしたのかと思ったら、そうでもなかったかのような。本当に、正しくこれまでのお話から続いちゃってる部分がある。
 でもそれって、『神に臨む作家』の第八章からエピローグへのあの美しい流れを断ち切っちゃうことをも意味していて、あの調和を乱してしまうことにもなりかねなくて。
 あれにさらに継ぎ足して、全体としてより美しい形を作れるのかどうか。もしそうできなかった場合はやはりこのお話とこれに続くいくつかのお話は蛇足だったとしか言いようが無くて、それはいろいろと悲しいので、そうならないように願っておくことにします。

まだ見ぬ世界を知るファンタジー「星図詠のリーナ」
「わたしが歩いた道を、見たものを、描いていくの。これは、わたしの地図」

父である国王の命を受け、辺境へと地図作りの旅に出た賢く若い王女「リーナ」と護衛の騎士たちは、正体不明の一団の襲撃を受け壊滅の憂き目にあったところを、流れの傭兵「ダール」に助けられる。
何があろうとも任務を全うしようとするリーナと臨時護衛に雇われたダールは、妖魔をかわし、夜盗を退け地図作り旅を続けていく中で宮廷の陰謀を掴むのだが、時を同じくして辺境の迷宮に眠っていた強大な何かが目覚める。
正統派ファンタジーの新鋭が贈る「本格マッピング・ファンタジー」

公式サイト特設ページより)

 やばい。これ、すごく好きだ。
 マッピングファンタジーということで、まあたしかに全体的にはわりと地味なお話になっているかもしれません。でも、これほどに「ファンタジー」に胸が躍ったのは久しぶりです。

 世界観そのものは、そこまで斬新ではないでしょう。世の中には「ファンタジー」が溢れています。妖精だとか龍だとかまだ見ぬ辺境の地域だとか、そんなものはそこらのファンタジーな物語を読んでみればいくらでも触れることができます。
 でも多くは、触れるだけで、感じることはできない。そこにファンタジー的な何かがあろうと、それに純粋に驚き、楽しみ、愛しむことは意外とできていない。していない。
 何故なら、他のファンタジーは、そのためのお話ではないから。ファンタジー的世界観はあくまで物語の背景。往々にして本筋は別のところにあるのです。
 しかし、このお話は、そのためのお話なのです。地図を作りたいと思う王女は、仲間とともに世界を旅し、冒険し、自分の目で見て、自分だけの地図を創っていく。他のお話で背景となっているそれこそが本筋で、そう、読者からするならば、ファンタジーな世界を──あるいは、ファンタジーではないけれど、この物語の中の世界そのものを──楽しむことができるお話なのです。
迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル?
 設定萌え。要はウィザードリィ系。
 いちおう現代日本を舞台にしてるっぽいわりに初っ端から「魔法」って概念が出てきてちょっぴり突っかかるけども実際それはそこまで問題じゃなくて。
 雰囲気を楽しむお話だから、細かい設定部分に突っ込むのはちょっとアレだとは思うけど……。

 死亡率14%のわりには迷宮に潜る理由がそこまであるように見えない人ばっかりってのは、まあ、実際の潜ってみての恐怖とかなんとかを理解してないからということなんでしょう。実際にそう描写されてる気もする(ただ、主人公周りでそういう意味でのドロップアウトをした人がいないから、やや実感ないけど)。
 ただ、「どうして銃を使っちゃいけないの?」→「ここは日本だぞ」はいくらなんでもトンチンカンすぎるような。こればかりはぜんぜん納得できなかった。

 でも、なんだかんだで面白かったのです。雰囲気を味わえるお話かなと思って、たしかに正しく雰囲気は味わえた感じ。なんか変な方向にそれちゃったりとかなんとかで、雰囲気萌えかと思ったら違ったということも多いので、これはわりと貴重と思います。
「ソードアート・オンライン1 アインクラッド」とても面白いので人気出て欲しいなあ。
 クリアするまで脱出不可能、ゲームオーバーは本当の“死”を意味する──。謎の次世代MMO『ソードアート・オンライン(SAO)』の“真実”を知らずログインした約一万人のユーザーと共に、その過酷なデスバトルは幕を開けた。
 SAOに参加した一人である主人公・キリトは、いち早くこのMMOの“真実”を受け入れる。そして、ゲームの舞台となる巨大浮遊城『アインクラッド』で、パーティを組まないソロプレイヤーとして頭角をあらわしていった。
 クリア条件である最上階層到達を目指し、熾烈な冒険(クエスト)を単独で続けるキリトだったが、レイピアの名手・女流剣士アスナの強引な誘いによって彼女とコンビを組むことになってしまう。その出会いは、キリトに運命とも呼べる契機をもたらし……。果たして、キリトはこのゲームから抜け出すことができるのか。個人サイト上で閲覧数650万PVオーバーを記録! 第15回電撃小説大賞<大賞>受賞作『アクセルワールド』著者・川原 礫の新作が早くも登場!
(電撃公式サイトより)



(以下、少しネタバレあり)

 ついに、と言ってしまっていいでしょう、刊行ですよちくしょうめ。川原礫(どうでもいいけどこの呼び方慣れないなー)の新作にして原点。いまオススメのラノベ作家を挙げろと言われたらアサウラと森田季節とこの人の名前を出すくらいには大好きなわけですよ。再配布のことはすっかり忘れて乗り遅れてたんで、やっとまた読める、という気持ちもあります。それを抜きにしても、懐かしいアインクラッド。いろいろな夢を詰め込んだ浮遊城。

 実は一冊の本としては「アクセル・ワールド」の方が質が高いかもしれない、というのはあるんだけども。いやほんと。主人公の心の動き。これでもかというほどに刻み込まれた劣等感と、それを乗り越える過程。心の弱さから疑いに疑いを重ねるからこそ、信じることに意味がある。
 SAO1はわりと心理描写よか設定萌えに重きを置いてるところがあるから、心理描写好きなら今のところは「アクセル・ワールド」のがいいかもしれない。

 それでは、それではですよ。SAOの何が魅力かというと、もちろん「設定そのもの」というのも一つです。この浮遊城にさまざまな生を幻視した人もいるでしょう。戦士達だけではない、もっと他の「生き様」を、世界の広がりを見てみたいと思った人もいるでしょう。それはきっと正しいです(というか第二巻が「ソードアート・オンライン2 アインクラッド」ということは、もしかして第二章よりも先に外伝を突っ込んでくるのかな。いろんな意味で新人らしくないけど)。
 作者さんのエンターテイナー性というのもあるかもしれません。可愛い女の子いっぱい出しますし、ラブコメ的なお約束も踏まえているので、ベタなのが好きな人は特に楽しめると思います。というかめっちゃベタな部分も多くて、たぶん箇条書きにしたらぜんぜん面白くないように見えるんだろうけど、実際に読んでみるとなぜか面白いというのがこの人の特徴だったりするかも。
 でも、それもおそらく本質ではありません。

 なぜなら、SAOは、精神の話なのです。肉体に依存しない仮想現実を仮定したうえで、精神、知性の意味、在り様を問うていくお話なのです。このSAOシリーズにおいてそれが本格的に描かれ始めるのは第四章、おそらく五冊くらい後の話なんだけどね!
 この本、だいたい自分の巡回範囲内では好評でして、だけどほとんどの人が「きっちり終わってるのにどうやって続くんだろう?」という疑問を持っているようです。けどもぶっちゃけ、あと数冊は下積みなのです。もちろん第二章や第三章、外伝もそれぞれがそれぞれに面白いんだけど、全部読んだ人としてはやはり、第四章なくしてSAOとはいえない。
 そこまで人気が続いてくれるだろうかというのが一番の不安なわけですね。続いたとしても第四章長すぎなのでどうなることか気が気でないのですね(電撃文庫で普通に出したら、第四章だけで十冊近くになるんじゃなかろうか)。

 付き合い続けるならたぶん十冊じゃきかないんだけど、どうかもっともっと人気が出て、最後までを出して欲しいなあというのが本音です。というわけで、みんな読めー。


(ここからもっとネタバレあり)


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「とらドラ!」完結です
──この世界の誰一人、見たことがないものが、あった。

 はい完結。正直ごめんなさい。なんだよ思いのほか面白いじゃねーかああ面白かったと勢いのままに読んで思って、でも感覚で眺めて頭で読んでないから少し頭を動かしながら読み返してみようとしたのですが、怖いのでここで止めました。ちょっと頭を動かしてみると少しの不満点が湧いて、どうしてでしょうか、考えれば考えるほど不満点というかひっかかりが増えていきそうな予感がしたのです。もっともっとちゃんと向き合って一つ一つ咀嚼解釈していけば今よりはるかに素晴らしいグランドデザインが見えるのかもしれませんが、現在頭が別の方向にフル稼働してるのでやる気がおきないし。だから私はここでドロップアウト。

 感覚で眺めて満足できたってことは、たぶん、物語そのものに関しちゃほとんど不満はないのだと思うです。おそらく。あんまり。
 自分は途中から「文章」というか……キャラの動き以外の別の何かに波長のずれを感じ始めたので、たぶんその辺かなーと思うのだけど。中身そのものはまったく文句なく面白いと思うんだけど、その語り方、とか。物語は何かしらのフィルターを通して小説という形で届けられます、そのフィルターの波長が、おそらく微妙に好みとずれたのかな。

 冒頭で引用したあの文章、その一連の部分ですら、最初は素直に背筋を震わせたのに、今はちょっと飲み込みずらくなってる。あれって一巻の時とは意味が違う──変わったとかミスリードだったとかじゃなくて、そもそもが違っちゃってるように感じるのは、私の読み込みが足りないのだろうかやっぱり。

 メチャメチャ面白いのは確か、確かだと思うけど……ぬぬぬぬぬ。