くるくるばたばた

主に東方SSの解説や感想と、稀に漫画とかラノベとかその他。

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東方SSメモ96
 創想話無印で面白かった作品を、作品集ごとに個人的にメモする記事、作品集96にて。
 スレに投げたレビュー(「作品集ごとに一気読んでレビュー」名義)の転載も入ってるかも。

『幻想郷は九回よみがえる』(名前はよみがえりませんでした氏)
 当たり前のことですが、短編ってのはなんらかのことについてきっちり書ききるよりかは、一瞬のきらめきというか、鮮やかさの方に強みがあるのだなあと思わされた作品。10kb無いくらいの掌編って正直あんまり好みじゃないことが多いのですが、これはどストライクでした。いちおうレビューしたんですが、このレビューだけではぜんぜん語れてない感じの作品です……別の視点というか見方で語ることもできるんですが、ちょっとそれは自分のネタにも関わってくるので割愛。
 以下、スレに投げたレビュー転載。

【あらすじ】
 幻想郷は消滅しました。

【感想】
 廃墟ものというジャンルがあります。……もしかしたら一般的には無いかもしれませんが、このレビュー書いてる人の中には存在します。
 これの魅力というのが……少々言葉では説明しにくいのですが、まず、廃墟と言われてどんなもの、どんなことに想いを馳せるか? ここからして、それぞれ違うものです。
 人が去り、長い間誰の手も入ることなく、荒れ果て、朽ち果て、ぼろぼろになった……そんな建物自体に心を奪われたり、あるいはそんな建物にかつての人々の暮らしの残滓を見たり、自然に浸食される人工物に得も知れぬ魅力を感じたり……廃墟というのは、斯様にして、人の心の普段使われていない部分をちくちく突いてくるのです。

 ……とまあここまで言っといてなんなのですが、別にこの作品は廃墟な作品というわけではありません。でも廃墟な作品です。少なくとも私にはそう思えて仕方ない。
 何を言っているのかわからないかもしれませんが、読んでもらえたらきっと、なんとなくわかってもらえるのではないかと思います。
 幻想郷は九回よみがえる。よみがえることの前提には、なくなることがあります。
 ここにあるのは、「幻想郷は消滅しました。」に始まる、九つの異なった再生。それぞれが見る世界と、それぞれが創る再生。

 肩の力を抜いて読める、童話のようなお話とのことで。
 ふわふわした、優しい、素敵な雰囲気が染みとおってくるような、素晴らしい掌編です。ぜひともご一読あれ。

【五段階評価では分け足りないので百段階評価】68/100点



『僕には帰る場所など無い』(ほんまぐろ氏)
 アリスはボケかツッコミかでいうなら、ボケだと思うのです。
 それもキャラが壊れてるとかそういう系じゃなく、天然ボケ的な感じというか……まあ私の好みというか解釈に近いんですが……ともあれ、そんな私のアリスイメージをちくちく刺激してきたお気に入りの作品です。ツッコミ役のメディスンのネジも多少緩んでいて、その一人称で書いてるのが、このゆるふわな雰囲気を作り出してるのかな……。
 以下、スレに投げたレビュー転載。

【あらすじ】
 華麗なるアリメディ劇場、アウトドアアリス編。

【感想】
(以下、作品冒頭より)
『IPS細胞というので同性間でも子供が作れるらしい』と何かの本で読んだらしいアリスは、
『ならば人形間で子供が作れたって何ら不思議ではない』と言い、研究のためか自宅にひきこもった。
 そして三日後に様子を見にいくと、ひどくがっかりした様子のアリスがいる。
(以上、作品冒頭より)

 冒頭部分からしてもう独特のセンスを感じさせる作品なのですが、そのテンションのままでごりごり続いていきます。
 あえて分類しようというなら、シュールコメディということになるのでしょうか。シュールなのは主にアリスですが、しかしツッコミ役なメディスンの一人称がまた絶妙です。
 頭のネジが六、七本ぶっとんでる……ぶっとんでるというかそもそも足りてないというか、フリーダムに自分の世界を生きている感じのアリスさんに面白みがあるのも確かですが、それとはまた別方向にずれている感じのメディスンがいるからこそ、その相乗効果でこの作品は面白くなっているように思います。
 最初から最後まで、この二人のキャラ付け一つで楽しませてくれるくらいの雰囲気作りができている作品。お勧めのコメディです。

【五段階評価では分け足りないので百段階評価】63/100点



 そのほか一言感想。

『東風谷の子として母として』(いすけ氏)がほどよい感じのアフター掌編。
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東方SSメモ95
 創想話無印で面白かった作品を、作品集ごとに個人的にメモする記事、作品集95にて。
 スレに投げたレビュー(「作品集ごとに一気読んでレビュー」名義)の転載も入ってるかも。


◎『東方文明ごっこ』(FoFo氏)
 前編 中編 後編 (前日譚『文明の終わる日』
 みんなで「シヴィライゼーション」やるお話。
 言ってみればそれだけなんですが、それがすげー面白い。「東方でやってみた」みたいな感じの、ある種原始的な二次創作って感じがするのですが、主にキャラのツボの押さえ方がすごくうまくて……それに乗せてゲームそのものの流れも楽しませてくれるし、また、この文明ごっこの源流にある「幻想郷」の描き方。その解釈、理解。土台がちゃんとしているため、「ただなんとなくやってみた」の域を超えた良作になっています。かなりの勢いでオススメする作品です。
 以下、スレに投げたレビュー転載。

【あらすじ】
「ついにキャノンの時代が来たよ。よし、こいつらはガンキャノコ部隊と名付けよう」
「八雲紫ともあろう者が、どうしてこう簡単にひとを信じちゃったのかしら」
「それに、落ちてくれるなら別にどこでもいいから。誰であれ私より下の奴が必要なの。悲しいけどこれって戦争なのよね」
「ご安心くださいお嬢様。我々はまもなく手に入れます。全てを破壊する、究極かつ禁断の力を……」

 ……とまあなんだかいろいろあって、みんなで「シヴィライゼーション」なるゲームをやろうぜというノリになったので、やってみた──ということで、そのゲーム進行を前中後編合わせて200kb超で描いている作品。
 参加したのは、守矢、博麗、魔法の森、紅魔、冥界、八雲、月人の七陣営。
 たかがゲーム、されどゲームということで、熱い戦いが繰り広げられます。

 ところでこのレビュー書いてる人は「シヴィライゼーション」を知らないので、細かいところはさすがにわからなかったのですが、なんとなく直感的に全体を理解できたように思います。
 何が言いたいかというと、元ネタ知らん人でも大丈夫だと思います。(たぶん「信長の野望」+「シムシティ」みたいなものだろう……)


【感想】
 まず、キャラ描写の上手さが目に付きます。
 七陣営×各勢力二人ずつ。さらにゲームの外にいるキャラも含めると、描かれているキャラは二十近くにもなるのですが、このそれぞれのキャラの描写というのが、全体的に上手な部類であるように思います。
 ここでいう上手さは、比較的原作っぽく、要素要素でツボを押さえたキャラ造形をしているように感じられる、という意味で言っています。多少二次ネタの雰囲気があったり、独自の味付けが働いている(ゲーム廃妖の紫さまや廃神の諏訪子さま素敵)ところもありますが、おおむねいい感じにまとまっている印象です。

 東方キャラがこんなふうにゲームをするというのは、弾幕ごっこと違うハレであり、しかし同時に、普段の日常に組み込まれないだけのケでもあります。ハレケの境界、という言い方は少しかっこつけすぎですが、それはどちらでもなく、しかしどちらでもある状況ではないかと思います。
 たかがゲーム、されどゲーム。
 ゲームだからこその容赦なさ、裏切り、さまざまな画策。本気でないことを前提した上で本気で戦うという、ゲームだからこそという一面。弾幕ごっこにも通じるところのある理念ですが、弾幕ごっこはなんだかんだで肉体を動かし、それに主に個人戦です。
 対してここでのゲームは頭脳戦。それも、他勢力との外交や自勢力の発展などなど、戦争以外にいくらでも考えることがあり、戦争以外の油断も敗北に繋がるゲーム。そこにおける、幻想郷の面々の立ち振舞いがそれぞれ見てて面白いものでした。
 このあたりの妙を魅力的に描けていた土台には、上述したような、ツボを押さえたキャラ造形があるように感じます。

 また、ストーリー面(と言ってしまっていいのかな……)のまとめ方が、この作品にさらにもう一味与えています。
 タグには「みんなでゲームしてるだけのお話」とあります。……それだけの認識で読んでしまっても十分に面白いのです、が。
 Wikipedia先生によると、「シヴィライゼーション」は、「いわゆる戦争ゲームではなく、文明の発展や人類史そのものを扱っている」ゲームとのことです。
 じっさい読んでみればわかるのですが、このゲームは紀元前三〇〇〇年の原始時代に始まり、人類の歴史を再びたどっていくことになります。そのうちに銃が出てきて、戦闘機なんてものも出てきて……どんどん、いまこの時代に近づいてきます。
 そして幻想郷は、その過程で忘れられたものが集う場所。
 あるいは、それとは、別の歴史を歩んだものが集う場所。
 そんな彼女達が、ゲームの中で近代兵器を使って戦争してみたり、いろいろ外交っぽいことをしてみたり、文明発展させてみたりしてるのを見ると、なんだかそれは、ゲームという虚構の中に幻想を抱く私たちと、鏡写しになっているようで。


「たぶん、はい。このゲームだってそうです。リセットボタンはないけど、藍さんの妖術が切れたら全部消えちゃう幻です。それが嫌だとは言わないけど、なんだか寂しいなって思っちゃって」

「進歩しすぎた科学は、魔法と見分けがつかない。誰が言ったか知らないけど私の好きな言葉だよ」


 少しだけ抜き出しましたが、後編前半部分の早苗と諏訪子の会話、それに文とにとりの会話には、ちょっと涙が出そうになります。
 ぜひともそこまでたどりついて、彼女たちの描いた歴史、彼女たちの文明ごっこの結末と共に、いろいろ想いを馳せてもらえたら嬉しいです。

【五段階評価では分け足りないので百段階評価】84/100点



 そのほか一言感想。

『つかまえないで』(MS***氏)がおくゆかしいゆかようむでいい感じ。

『家具売り巫女と前途多難な話』(MS***氏)が小気味良いコメディ……ほのぼのコメディ? キャラを壊すことなくきっちり締めてて、見た目以上に上手いことやってるなあと思いました。

『幻想服屋が死んだ』(ナルスフ氏)の霊夢さんが素敵。普通の女の子としての霊夢さん、そういう面を描いてくる作品ってなかなか少ない。

『幻想百人妖一首』(すこぶる氏)が、超ガチに百個やっててすごい。
東方SS投稿な報告「霊夢さんが、みんなに、ぎゅーってしたりされたりするおはなし。」
 投稿していました。

 これを投稿する前日についったーで不穏な呟きが見られたかもしれませんが、これのメイキングとかそういうわけでは無いです。
 書いてみたら意外となんかそれっぽい感じになったのでしょうかよくわからん。霊夢さんかわいい。

 掌編なのでスパッと書いたようなそうでもないような……なんかこれ書いた晩ってそそわクラスタで麻雀フィーバーだったりもして。このくらいなら筋道決めるのも含めて二時間くらいで書きたいところ。
東方同人誌感想「アリスのための物語」
 おもについったで垂れ流したやつの転載です。
 読んだ東方同人誌(漫画、SS問わず)について、なんか気が向いたときに適当に書いたりしたやつです。
 記事タイトルに「感想」ってあるけどたぶんあんま感想ちがう。



・アリスのための物語(La Mort Rouge)

「アリスのための物語」読了──ラブコメだ! みんな逃げろー! いや読めー!

というわけで「アリスのための物語」です。文庫580ページ超、しかもこれ一ページあたりの文字量が普通の文庫小説本より多い気がする。超大ボリュームです。その大ボリュームで何をしているのかというと、もちろんアリスの話です。

アリスの話──そもそもアリス・マーガトロイドとはどういう存在かという定義に始まり(当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが)。 幻想郷におけるアリスの物語の始まりから、そしてまたひとまずの始まりへと、それらをアリス一人称ですごく丁寧に描いていったお話。

そう、すごく丁寧です。伏線……いや読みながらはっきり引っかかるあたりだから前振りと言いたいかな、ともかく、読んでて途中で引っかかるようなことはまず回収されるし、あと、細かな描写がすごく丹念に為されてて、描かれてる世界を汲み取りやすい(そうでなければここまで長くはならない)。

(ただ、丁寧すぎるのに難があるかもと感じたところは否定できない……エピローグがほとんど種明かしオンリーになっちまってたりもしますし。どうなんだろう、狂気を描くことと、ある種三人称的な描写の丁寧さは、もしかしたら両立しがたいものなのかもとかちょっと思いながらでした)

狂気を描くというのは……特に、一人称で狂った当人を描くというのは、本当に難しいよなあと感じます。というかたぶん、「ああ、このひと狂ってる」と思われたらその時点でタイムリミットが発生するような気がする……主人公が狂っているのだと理解されてしまったら、(続く)

物語そのものを滑稽なものに見せようとするベクトルが、どうしても働いてしまうと思うから……余程のことがないかぎり。そしてこの本に関して言うなら、丁寧な──というより単純に言って長い、その一事と重なって、「アリスさんがあからさまに間違った理解をして暴走する話」を(続く)

けっこう長い間見ることになる……もちろん、そんな「あからさまな間違い」をしてしまうようなものこそが、アリスさんだったということなのだけど。……うむ、うぬ、何か読み間違いをしているような気がしてきたぞ。

プロローグを読み返すべきのような気がしたんだ。

一つ仮説が生まれたんだけど、これ検証するには再読しなくちゃいけないお……ちょっとそれはきつい、少なくともいまは。

というかたぶんちがうかなこの仮説は……うん……。

お話のつくりに関して。旧作設定に関する作り方が面白い(設定無視してるとも言えるけどw)のですが、パッと見るとねじれがあるように見えるかもしれません。旧作すなわちアリスの過去話(ていうかこれだけで一つの話としては十分かもしれないレベルなんだけど)と、現代の話の間に。

と言うのも、過去話は、アリスがいろいろなものを得ていく感じの話だから。世界に出て、人形遣いに師事して。それが語られるのが、全体四章のうち第二章と第三章。第四章冒頭で、神綺とアリスが出会った際のことが綴られてるのも含めて、そういうイメージを喚起する。

過去話は過去話で、一つの完結のかたちを見ているのですね。アリスは世界に出ていろいろなものを得て、最終的に失ってしまったものもあるけど、この先がんばっていきましたはいおしまい。……といった感じに、これはこれで、ある種の正しさを孕んだというか、それほど違和感の無い結末ではあるのです。

だけど現代において物語は再開する。師のもとで(以前に比べたら)強くたくましくなっていったはずのアリスは、それらをどこに忘れてきてしまったのかというように、卑屈で、臆病で、弱くて、自分からどんどんぼろぼろになっていきます。これなんも考えずに見ると何か違和感あったんだけど、(続く)

でもまったく当然のことなんですね。なぜなら、この物語のアリスにとって、旧作と現代の境にあったものは、孤独でしかなかったから。

百四十一番目のアリスが精神的な死を発現。前体までとの有効な差分無し、即時消去。(作中七十七ページより)

あの過去話は、「得たものも失ったものもある、だけどがんばっていくよ」ではなく──実は「得たものはあるけど、失ったものが大きすぎる」終わりなのですね。アリスの実感として現れてはいないから、この本の中で描写されることは無いけれど。

なぜならあの終わりのあとで、アリスには誰も残らなかったから。

過去話から現代までの間に、アリスにはおそらく百を超える死があった。(作中五百二十七ページとか参照) アリスによって語られる部分に比べて抽象的に描かれてるのでなんとなく読み飛ばしたくなっちゃうけど、そこのところ前提しておかないと、過去と現在が入り混じったこの話の理解がぐにゃぐにゃ。

過去話ラストでは、アリスのそれまでの繋がりが切れてしまうことがすごく強調されている。現在時点のアリスはとっくのとうに壊れていたのであって、なるほど第一章で永琳の元に向かったのは、とんでもなく正しいことに思える。

閑話休題。メディスン治してくところは読んでて面白かったな……あのへんはどちらかというと、アリス視点よりメディスン視点で物語を咀嚼し、想像している自分がいました。おそらく人形遣いよりも長く生きていく、人形の物語。メディスンもなかなかありやね……。

マリアリ……いやアリマリ? としてもド直球なので、カップリング好きな人も読める話だと思う……というかここまでマリアリアリマリっぽくなるとは思ってなかったので、正直ちょっとびっくりでした。魔理沙かわいい。

氏の既刊は「少女と少女と少女の偽」のみ既読なんですが(例大祭で既刊全部買ったのでたぶんそのうち読む)、前作に存在した、キャラ作成へのある種の公平性のようなもの(日本語適当)はちょっぴり薄れてる感があるかも……だから悪いとは言わないけど、そこらへんやや驚きつつ読んでましたとさ。

氏が霊夢視点で書くお話とか、読んでみたいなあと思うのでした……上手い作者さんには、霊夢を描くことを期待してしまう。

あと、伏線……というか、作中での物事の関連付けかな(スクランに多かったようなやつ)。 けっこう頻繁に見られた気がするけど、さすがにいちいちはメモしてないので……再読した時には、まあなんとなくわかるだろう。

あえて一つ挙げるなら、裏表紙からしてそうであるような。(第四章ラスト) ……これは違うかもしれないけど、そうであるような気がする。

六十年前は全ての終わりを示していたけれど、同じ光景だというのに二人の弾幕は目映いくらいの始まりと、これからを示していた。(作中より)

つまるところ、そういうお話だったということ。この先は──世に溢れるマリアリ寿命ものみたいなあれこれが、あるのかもしれないしないのかもしれない。大丈夫だと言い切ることはできやしないけど、うまくできないかもしれないけれど、アリスの中に積もっているものはきっとあるから、みたいなお話。

とまれこんなもんでひとまず、「アリスのための物語」について、お終い。


東方同人誌感想「夢から、さめる」「Week End」
 おもについったで垂れ流したやつの転載です。
 読んだ東方同人誌(漫画、SS問わず)について、なんか気が向いたときに適当に書いたりしたやつです。
 感想としてちゃんと書こうとしていた時代もあった。



・「夢から、さめる」「夢へと、しずむ」(DreamWish)

「夢から、さめる」が前回の冬コミで出た小説同人誌で、「夢へと、しずむ」はそれと連動したWeb連載ですね。http://www5c.biglobe.ne.jp/~D_Wish/index.html

こちらのサイト「DreamWish」さんでは、既刊公開みたいな感じだったりでちょこちょこ面白い東方SSがあってオススメなのです……。

さて「夢から、さめる」ですが、まずマリレイ風味でかつ滅亡系ってことで、個人的好みとしては超ベストフィットなわけで……超要約すると、主人公魔理沙で、幻想郷か霊夢かという選択を突きつけられちゃったりする話なのですね。

ひとり抗う魔理沙なのですが……この抗い語ってのがすごく真っ直ぐなんですね。真っ直ぐすぎて、途中までは違和感があるくらい。幸福なことに、霊夢の側に、ゆれる描写と言うのが一切存在しないわけではありません。……がしかし、

もしも霊夢の側にそれがなければ、魔理沙はもう、道化というすら優しいほどに滑稽な存在じゃないか。……いや、あえて言うなら、霊夢の側に揺れがあるのは、ただこの物語における偶然の優しさでしかない。これは『偶然にも』優しい物語だけど、しかしあまりにも悲しくて滑稽な物語じゃないかと、

そんなことを思ってしまうくらいには、あまりにも魔理沙が真っ直ぐな話。……だけどこれが、意外なほど鮮やかにひっくり返される。

一文のための、たった一言のための物語。これはそういうものだった。後書きに「元々は『霊夢の話』を書こうと思って」とあるけれど、なるほどこれは霊夢の話……霊夢の解釈に基づいた話だった。

一文のための、というにはちょっと長いかもしれないな……「STAGE-4 楽園の素敵な終焉」のための、というべきか。これ見る人によってはちょっと突拍子もなく感じるのかもしれないけど……私もわりかし霊夢解釈とかもにょもにょ考える人なので、これはけっこう自然に受け止められた。

たった一文で無理に理を通すってことをやってみたいもんです……いやはや。

「夢から、さめる」はわりかしマリレイな話なんで……幻想郷の崩壊って事に関しては、「夢へと、しずむ」の方でオムニバス的に触れられてる感じ。これもまた、阿求の一言にハッとさせられた感じ。思えば「東方鬼国灯」もそんな感じだった気がする……たぶんこの人、それが上手いんだなあ。

ひとまずこんなくらいにしておきますか……まあ「夢から、さめる」の方はもう通販死んでるみたいですがー。




・「Week End」(穂積名堂)

というわけで「Week End」を読んだのでした……が、わかるようなよくわからんようなで、いかんなあ、最近速度重視で読んでるのもあるのかもしれないけど、考えて読むってことをぜんぜんしてないなあと。

良い意味か悪い意味かわからんけど、とりあえず350ページ超読んだ気がしない……改行空白多いタイプの文章だったからかもしれないけど。読みやすいと感じたのは確かかも……。

んー、なんだろこう……私が『知らない』フランドールの物語って感じ。だからコメントしにくい……『気づかなかった』ではなく『知らない』だから。ぜんぜん違う場所で戦われてる感が。

なーんかしっくりこないな……これハッピーエンドじゃなくねーかなと思うんだけど、そこらへん考えるための土台である作中設定の読み込みがいまいちできてないっていうか……あーこりゃ不毛な気がしてきた、たぶん『他に手はなかったのか?』という思考に近い。

ってことはハッピーエンドじゃないんだなこれは。トゥルーエンドとすらいえない。作中にもあったけど……もうとっくに間違えちゃってて、どうにもならなかったお話か。紅魔郷を絶望で覆うお話。

なぜなら……なぜなら、うん、ここらへん作中設定の読み直しがめんどくさいのであやややややだけど、これは、フランドールを殺すお話だからだ。レミリアが縋り続けていた可能性をついに断つお話。週末にして終末。

うむ……なんかひとまずこの理解でいいような気がしてきたぞ……いや、あれ、どうなんだ? アレは「分離」であってすなわち救いなのか……でもそうだとするとなんか根本的に設定がよくわからんし、ってことはたぶん救いじゃないってことでいいんだろう。

何も考えずに読んだら甘ったるい話なんだけどな……それでいいのかなほんとに……? という感じのお話でした。私はどちらかと言うとバッドエンド支持……。

レミリアは果たしてフランドールを殺すことで、『ゼロ』に戻していたのか。妹に寄り集まったものをそぎ落とし、コンマゼロゼロの妹を保持していたのではないか。だけどフランドールはもういない。既に、十や二十が積もってなくなることはないから。

「Week End」 ひとまずお終い。


東方同人誌感想「遠野発 岩手銀河鉄道」「シュレディンガーの箱庭世界」
 おもについったで垂れ流したやつの転載です。
 読んだ東方同人誌(漫画、SS問わず)について、なんか気が向いたときに適当に書いたりしたやつです。
 だいたい感想になってない。

 今回は秘封ちっくな二冊。



・「遠野発 岩手銀河鉄道」(Feather's Snow)

どうなんかな。この蓮子とメリーの関係性……というか、能力関係性解釈か。これってありそうで今までないのかな? 見たことあるような気もするしないような気もする。

うーん、おそらく、「作品としては珍しい」のかな。考察界隈では既に目にしていたか、あるいは自分の頭の中で断片レベルでは構成していたか。こういう考察っていうか解釈かな、それを話の中に突っ込んでくるのって意外と珍しいようなそうでもないのだろうか。

こんなふうに、作品の真ん中に「解釈」を突っ込んでくるのは(多少わかりやすすぎであろうとも)好き……特に秘封なんてのは、原作側から出されてる宿題の一つですしね。こういうのはもっと見たいかも。

ただ、真ん中に解釈を突っ込んできてて……そう、「真ん中」がすごくはっきりしてるのがこの作品の良いところであり、物足りないところかも。中心が強すぎて、そこから伸びるいろいろな枝葉をスッパリスッパリ切り落としてる。……というか、芽だけ出してそこで終わる話であるというべきか。

しかしこの解釈に関しては、「秘封倶楽部の関係性」に対する一つのアンサーとしてはちょっと参考になる気がしないでもないけど自分なりにまったく別のアプローチでやっちゃってるのでそれはまた別の話ということで、結論、ほどほどの長さでいい感じに楽しませていただきましたどっとはらい。




・「シュレディンガーの箱庭世界」(ゆめかばん、白上さん家)

さて……秘封SSを読んだ時、というか秘封”本”を読んだ時かな、主に秘封クラスタ、秘封病の人たちの作品を読むと、「夢」とか「現」とかいう単語あたりがゲシュタルト崩壊するのはよくあることなもんで、このへんのひとたちのを読むときは心を強く保っておかねばなりません。

作品に翻弄されないようにするって言うかな……ある種つまらない読み方ではあるんだけど、そうしないとわけわかめになることがままあるもんで。さてシュレ箱はというと、まあ上下詐欺から想像できていたとおり、高校生の蓮メリが出てくるわけですね。

どうなんだろう……ここで普通はどんなことを思い、疑うべきなのかな。私は何も考えずに読みましたが。「シュレディンガーの箱庭世界」というタイトルから考えて、幾つかの可能性を想定した程度。

すなわち、「現と現」「現と夢」「夢と現」「夢と夢」の四種。タイトルから素直に考えて「現と現」の話かなーと思いながら読んでました。

しかしまあ、秘封世界における「夢」とはなんなのでしょうねぇ。

私はこのシュレ箱と……創想話ラグナロクの「童祭 ~ Innocent Prayers」を良い機会として、脳内でいろいろ整理してだいぶすっきりしたんだけど……いやはや、「夢」とはなんなんでしょ。

夢の中のワタシがワタシと同じ別物であるなら、それはもう普通に平行世界だしね。

私は蓮子派です。夢と現は別のものよ。……そしてもっと言うと、夢は現に従属するものだと信じて疑わない。

シュレ箱に対する最初の直感的理解は、「偶然にも『夢』を共有した、現と現の物語」でした。

ただ、夢であろうがなんだろうがいろいろひとまず脇において……天使さんがよくわからなかった。まるで客観であるかのようで、存在そのものがよく分からなかった。

エヴェレットの多世界解釈ってなんじゃっけ(知識の無さを露呈露呈

んんん……エヴェレットなんちゃらをローディングしつつ考えるとどうなるんだ、ちょっとよくわからんな。

私の中では、こういう多世界系の軸と、秘封における夢現の軸とはまったく別物なのです……。

よーし  よくわかんなくなってきたので投げる



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