くるくるばたばた

主に東方SSの解説や感想と、稀に漫画とかラノベとかその他。

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東方SSメモ90
 創想話無印で面白かった作品を、作品集ごとに個人的にメモする記事、作品集90にて。
 作品集89は後回し……。



◎『霧雨魔理沙23才の霊夢 -Stand Up To- 』(みづき氏)
 『無重力落下 -Stand By Me-』の続き。両方あわせてもそんなに長くはないので、ご一緒にどうぞ。

 さて。『無重力落下 -Stand By Me-』のほうは霊夢の能力のいち解釈といった形だったのでありまして、全体としては『無重力落下 -Stand By Me-』が霊夢の話、『霧雨魔理沙23才の霊夢 -Stand Up To- 』が魔理沙の話、という印象を受けるかもしれません。というかたぶんそれで正しいのですが、私は読み終えたとき、両方合わせて霧雨魔理沙の話という印象を受けました。後編が前編を喰って亜種に進化したって感じかしら。というのも、後編において霧雨魔理沙というキャラクターをかっちり描写している一方、前編において博麗霊夢の心情があまり描写されてないというか、うーん、そういうキャラということで描いてるのかな。まあともかく、少なくとも結果として、魔理沙の方が細かく深いところまで描き出されてる感じがするので、魔理沙のお話に見えたのかな。まあそんなことはどうでもいい。

 根本は、霧雨魔理沙の博麗霊夢に対する感情。これだけならわりとよくある感じなんですが、それを、霊夢がいなかったらというIFを手段として効果的に描いてるんですね。霊夢の能力解釈である『無重力落下 -Stand By Me-』を前提としてそれを行うことで、無理矢理IFをしてるという印象を排除、それどころか説得力を出してる。
 個人的にIFものが大好きだというのもあって、すごく楽しめました。心の中の芯となっていたものを失い、普通の人間へと戻りつつある魔理沙。若き頃を思い返しながら、それでも霊夢の存在を忘れて、あの言葉遣いも変わらずにはいられなかった魔理沙。普通の人間として生きる選択が近づきつつある、23歳の魔理沙。この、乾いた魔理沙の描き方が……コンペの「《明日ハレの日》∽《ケの昨日》」でも思ったけど、このあたりが本当に上手。同じ人間である咲夜との関係、それも含めて。

 そして、霊夢の結末がまた。もうこれ以上無いほどに「それっぽい」。
 「浮いている」というのもあるけど、無重力落下の時点で、霊夢はそれほど癖のないタイプの霊夢として──比較的普通の女の子として描かれていた気がします。だからだろうか、この終わり方が、本当にそれっぽくて、本当に心に来た。
 この終わりのその後と、『無重力落下 -Stand By Me-』における二人の共同生活のところは、想像力を働かせるべきところかもしれません。共同生活の中で、魔理沙は何を思っていたのか。この後、魔理沙と霊夢はどんなふうに生きていくのか。
 霧雨魔理沙と博麗霊夢を描いた作品として、文句の付けようのない作品でした。未読の人はぜひ読むべしです。



・『二回だけ死んだ猫』(フリーダム鈴木氏)
 オリジナルぬこと、幼い頃の紫のお話。ゆかりんかわいいわ。
 ほのぼのしい雰囲気に孤独の影を見え隠れさせる、そのさじ加減が好み。話そのものはオーソドックスだけど、『境界の狭間』という舞台装置や、臆面なくロリロリしいゆかりんはやや珍しい類か。

 いくつか気になったこととしては、まず、オリジナルぬこの半生、特に、運命を見る能力への憂鬱等々をもう少しきっちり書いたほうが、最後に『だれかを幸せにする』ことが映えたんじゃないかなとまず。
 そして終章がちょっとくどいかなというのと、もう一つ……紫の孤独は、もう少し徹底的にやってしまってよかったんじゃないかなと個人的には思うかもです。具体的には、『迷い込んでくる人たち』にはいつも例外なく気味悪がられたり化け物扱いされていたりだったとか。

 ……といった感じに細かい点で幾つか気になったところはありましたけども、基本的にかなり楽しめるお話でありました。ありがたやありがたや。



・『夾竹桃』(twin氏)
 ・『吹き、荒れる、風』の続編。
 実はお話自体はわりと単純なものである気はする。
 しかし意外でもあるのですが、霖之助絡みでこうもガチな恋愛ものを書いてくる人ってのは実は少なく……こう、お話自体はわりと単純ではあるのに、どこかしら新鮮さを感じさせるという。
 森近霖之助、八雲紫、東風谷早苗。三者の九寸五分の恋の、その果て。必ずしもハッピーエンドでは無いかもしれませんが、それが、少なくとも創想話では作者さん特有と言ってもいいでしょう、濃密な描写によって描き出されています。

(濃密だとは思うし凄いとも思うけれど、正直濃すぎてよくわからんところがある気はするのは秘密)



 そのほかには、『平成十三年の夢綺譚』(ぜろしき氏)、『人形は、これでもいいと思いました』 (歪な夜の星空観察倶楽部氏)が面白かったので、メモしておきたく。

『UNDERGROUND』 (佐藤厚志氏)超面白かった。続き待ち。
・『Q.E.F』(みかんの国の住人氏)シリーズは全部出揃ってからじっくり読む。
『スカーレット家の運命 【前編】』 (シラタキ氏)もちょっと気になるけど、やや長いっぽいので後編が来たら読む。
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