くるくるばたばた

主に東方SSの解説や感想と、稀に漫画とかラノベとかその他。

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第八回東方SSコンペ作品紹介
 はい、それでは。
 第八回コンペはこちら。お題は「雨」でした。いちおう自作以外に全部点数つけてます。

 この記事ではまずオススメなのを点数順にネタバレ無しで列挙して、
 一部のオススメ作品をネタバレ込みで紹介したりして、
 最後に自分の採点基準みたいなのを語る形でいきます。


 以下オススメリストネタバレなし。

・自分が8点付けたやつ
「幻想郷カットインズ:アンブレラ」
「《明日ハレの日》∽《ケの昨日》」

・自分が7点付けたやつ
「唐傘雨音頭」
「血みどろダディ・ワラキア」

・自分が6点付けたやつ
「あの夜のシューティング・スター」
「過ぎし日は雨に遠く」
「猶、春さめはふるふる」
「福は雲の如し」
「雨流夢」
「雨と悪魔」

・自分が5点付けたやつ
「太陽の幻想話」
「ピーターうさぎは死なないのか?」
「Good Bye, Rainy Moon.」
「首切り蓬莱人形」
「カーテンコール」
「想起「嫌われ者のフィロソフィ」」
「さよなら魂魄また来て蛇蠍」
「隠れ者の小傘」

・自分が4点付けたやつ
「れいに・でい・さんしゃいん」
「百一年目の魔法少女祭」
「雨とともに墜落する言葉、そして記録者」
「ところにより鮫が降るでしょう」
「魂時雨」
「EXTRA WORLD」
「たまのあめふる」
「巫女舞」
「ガーゴイル・シンドローム」




 ここから「幻想郷カットインズ:アンブレラ」と「《明日ハレの日》∽《ケの昨日》」についてネタバレありで感想、紹介。
 その下に自分の採点基準(野暮な話)について。

☆「幻想郷カットインズ:アンブレラ」(プラシーボ吹嘘氏)

 一体彼女はいつ頃気付くだろうか? この郷では、受け入れられないことの方がずっと難しいことに。

 個人的今回のナンバーワン(ダントツ)。上では8点入れたと書いてますが、今つけるなら9点です。8点しかつけなかったことを後悔している……あくまで個人的なアレですが。

 幻想小旅行。少女と傘が彷徨い歩く幻想郷は、私達の知るものと驚くほどに親和していて、東方の登場人物の多くの魅力、一面を描き出すことに成功しています。
 主人公の少女の描き方もまた上手い。彼女とその友人に対して、誰もが最初は秘封倶楽部の二人のイメージを当てはめるでしょう。しかし序盤から適度に感じられる違和感は、彼女がメリーとは違う一個のキャラであることを否応なしに認識させてくれます。そして認識させてくれる頃には、秘封の二人を元にしたオリキャラたちの確固たるイメージがそこにある。こんなにスムーズにオリキャラってのを受け入れられるものかと感動した。

 この物語には、二つの面があります。主に前半部分で示されるその一つは、「メリー」の面。そしてもう一つ。
 最終章の冒頭にて明らかにされるそれは、あるキャラの行動に答えを出してくれると同時に、それまでの物語の見方を変えさせてくれます。すべてがそうやって組まれていたのだと、身震いしたくらいでした。あまりに、あまりに見事。
 そして、旅の始まりと旅の終わりの描写がまた素晴らしい。空の上、雲の中での出会い(厳密にはry)と別れ。情景を明確にイメージさせてくれるというのもあるけれど、その良さはもうちょっと違って……それは、ああ、何か素敵なことが始まるんだというおぼろげな期待と、ひとまずの閉幕を、けれどこれ以上無いほど爽やかに告げてくれた感動でした。
 幻想小旅行。少女と傘の冒険譚を描いた、素晴らしい作品です。読んでない人はぜひとも読んでほしいです。

 最後に。およそ完璧といえる精度でキャラクターを描写しているこの物語ですが、おそらく、八雲紫に対してのみは違和感を覚えることがあると思います。実際のところ、私もそこに引っ掛かりを覚えたため、この作品には9点ではなく8点を入れました。
 今つけるなら9点です。コンペチャットで作者さんなりの解釈を聞いて、この疑問は氷解しました。この発想に至らなかった自分を恥じると共に、このストーリーでそれをもってくるか! と意表を突かれた思いです。
 つまり何かといいますと。このお話における八雲紫のキャラクターに違和感を覚える方は、「紫=メリー」の考え方を導入してみることをオススメします。






◎「《明日ハレの日》∽《ケの昨日》」(みづき氏)

「楽しいとか楽しくないとかそんな問題じゃないんですよ! つらいんですよ、現実ではこんなに誰も楽しそうに笑って毎日を過ごしていない、自分のやりたいことを本気で追いかけられている人もいない、馬鹿になりきることすらできない、何よ、こんな世界、本当にあるの? あるんだったらどうして私がそっちに行けなかったんですか!」

 涼宮ハルヒのアニメは好きです(主に一期)。
 その中でも、「サムデイ イン ザ レイン」がダントツで好きです。好き、というよりは、打ち込まれた感じでしょうか。胸に打ち込まれた楔。未だに抜け落ちてくれません。
 なぜかって、荒唐無稽なあの物語の中で、「サムデイ イン ザ レイン」だけは違う。他の話は、いくら楽しくはあっても「ありえない」けれど、もしかしたら、あのくらいなら。あの話の中には世界を改変する能力なんていらない。宇宙人も未来人も超能力者もいなくていい、本当に、「これくらいなら現実に存在していてもいいんじゃないか」という期待、願望、あるいは未練。私の中に確かに存在していたそれらを、完全に撃ち抜かれたから。

 このお話は、二つのパートで構成されています。一つは、何の事前説明もなく始まる学園ものパート。これが前半部分。そして、後半部分にあるもう一つ。それまで描かれてきた学園ものパートがどのような意味を持っていたのか、このお話の本質はどこにあったのかが、そこで明かされます。

 夢から、覚める。諏訪子の一言ですべてが反転して、まったく別の世界を突きつけられる瞬間は鳥肌もの。そして早苗の最後の天気予報。あれは東風谷早苗の最後の奇跡。テーマが薄いというコメントが散見されましたが、個人的にはまったくそうは思いませんでした(このへん作者さんにも同意してもらっているようですが、コメント返し時の作者さんというのは妙にへりくだるものなので、実際どうかはわかりませんw)。

 そうして物語終盤、対峙する二人はどうしようもなく違うものになってしまっていて、この先もまた、違うものになってしまっていく。その描写がもう本当に泣きそうになってしまいそうなくらいだったのですけど、だから、あの冒頭部分はこれ以上なく救いで、本当に素晴らしかった。
 だって、秘封倶楽部は夢を見ている。『こんな世界』を信じて、追い求めて──いや、『こんな世界』を生きることが出来ているのだから。

 全体としては、惜しいと思える箇所が多数あったのも確かです。私としては、冗長というよりは短かったと思う派。
 個々の学園パートに対する意味づけがもっときっちり為されていれば、冗長とのイメージも軽減されたのでしょう。対して終盤はちょっと駆け足過ぎるところがあった。個人的には、学園パートでの早苗を通して、神としての早苗についてももっと掘り下げることが出来ていたらまさしく神作品でしたし。
 ただ、それでも。個々のキャラの魅力的な描写。扱うテーマのやりきれなさと、それに対するあまりに清々しい結論。素晴らしくド直球で、素晴らしく好みだったのです。この記事を見ていて未読の方がいたら、ぜひともオススメしたい。




 採点基準。ノリです。完全に自分の感覚でつけてます。
 採点の分布は以下の通り。平均点は3.02点です。

 10 0
 9 0
 8 2
 7 2
 6 6
 5 8
 4 9
 3 34
 2 31
 1 11
 0 0
 -1 0
 -2 0
 -3 1

 基本的には0点以下はつけない方針です。なんとなく。ひとつマイナス3点があるのは例外です。
 自分の感覚的には10段階よりも30段階くらいで採点した方がおさまりがいいので、実は自分の中では30段階採点です。それを3点ごとに区切って10点満点に直してます。

 なんとなく短編やコメディに厳しい傾向があるような気がします。それについて自己分析すると……以下はついったーからの転載ですが。

 自分の場合、ストーリーと構成(話の流れ、伏線等々)を考えるのが(出来るだけ大きい)器を作る作業、それを実際に書く(諸々の描写、文章力)のが水を入れる作業という感じで捉えています。勝負としては、どれだけ水を溜め込むか、みたいな。

 んで、短編やコメディは、物語のスケールが小さいというか……上のたとえで言うなら、小さな器でしかないことが大多数だと思うのですね。たくさん水を入れようとしても、そもそも器自身が小さいので限界がある。
 なので、非の打ち所のない(満杯まで水を入れた)短編やコメディよりも、多少荒があっても話のスケールが大きい(途中までしか水は入ってないけど、そもそも器が大きい)といった作品の方が評価が高くなりやすいのだと思います。

 以上、そんな感じ。

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