くるくるばたばた

主に東方SSの解説や感想と、稀に漫画とかラノベとかその他。

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東方SSメモ93
 創想話無印で面白かった作品を、作品集ごとに個人的にメモする記事、作品集93にて。


○『Q.E.F.』(みかんの国の住人氏)
 『東風谷早苗が解けない式』
 『藍の証明』
 『巫女に羽』
 『魔法の嘘』
 『貴方と彼方のカタルシス』
 今は「転校」してしまい、別名で元気にやってる某氏の……別名も含めて、現時点では代表作というか、オススメ作品といっていいんじゃないかなと個人的には思う作品。
 というのも、このひと、『縦』の思想で作品を描くひとってイメージがあるのです……もちょい一般的な言い方をするなら、『アフターもの作家』かな。『アフターもの』について簡単に言うと、未来……つまり、『今のあと』を描いたものなんだけど。ここで言いたいのは、描くキャラクターの内面に、縦方向──すなわち未来や過去を織り込んで書くことが当たり前になってるってこと。これを常にやってる感じのひとって、実は意外と珍しいと思う。多くの人は、「今」だけ……あるいは「過去」「未来」だけに焦点を当てて書くから。

 で。
 上にあるとおり、シリーズは通して五作品です。この五作品、単純に続きものというよりは、ある出来事、ある「流れ」について、観察する場所を変えてみたためにこうやって分かれた形です(だいたい)。散りばめられたパズルのピースが組み合わさった時のカタルシスもたまらんのですが……これによって、『縦』に加えて『横』にも広がりを持ち、すなわちこの作品には、この作品の『世界』が形作られているのです。これが素晴らしい。

 キャラは主に、藍(らんさな)、霊夢、魔理沙になるんでしょうか。多角的に描かれているために、氏の作品の中ではわりかしわかりやすいものになっています。
 これもまた氏の作品の中でオススメする理由でありまして……そう、わかりやすいんです。この後、氏は名前を変えてそれまで以上にフリーダムな方向に突っ走っていき、ちょっと初心者向けじゃなくなってるというか……この作品にも垣間見られる、淡いイメージ。それがどんどん拡大してってる感じで、それら比べて、このお話はかなり、掴みどころがある。
 ただこの淡さは、すごく優しい淡さ。すごくすごく、優しい世界……いや、世界というよりも、繋がり、連なりでしょうか。ほどよいわかりやすさ、すなわちほどよいわかりにくさもあいまって、優しさが何よりも残る、そんなお話です。

 また、個人的な感想になるのですが……霊夢や魔理沙というキャラクターが、すごく自然に描かれてると感じられる。たぶん、この二者の描き方について波長があってるんだと思います(本筋はらんさななのだけどw)。積み上げ的には魔理沙、直感的には霊夢がかな……積み上げで霊夢を描いてったらもうちょっと別のものになるかもしれないけど、でもなにはともあれこの霊夢はかなり近い。非人間的なように見えて、どこまでも人間。対して魔理沙は、境界にいて……そして最後には、別のものになるという気がしてならない。まあこれはおいておこう。



『博麗霊夢と愉快なフラストレイター達』(詩所氏)
 なんかいろいろあって、皆が欲望を制御できなくなる事件が発生、霊夢と慧音が解決しにいくぜって話。コメディというよりコミカルな印象だけど両者のどこが違うのかは知らない。
 ギャグに関して詳細に解説するのもなんかアレなんで、とかく面白いぞーという。欲望と書いて欲し望むもの、各キャラのそこらへんを肥大化させた壊れキャラがなかなかにラブリーなのです。霊夢一人称の地の分も含めてギャグの切れがよく、すとんすとんと読める……個人的なベストフィットは、ここからさらに二割ほど削った文章かなという印象なのですが、それでも心地よく読めるリズムです。欲望解放ネタだとなんとなくカップリングに流れやすいかなーと勝手に思ってるのですが、その制御も含めていい感じ。オススメのギャグ作品です。



『眠れないとアリスが言ったから』(歪な夜の星空観察倶楽部氏)
 アリスとはなんなのだろうか──と考えてみると、あまりに、あまりに広く在る可能性に、途方に暮れるものです。真っ白な世界。地平線だけがただそこにあって、太陽すらないのに不思議と明るい、どこまでも続いていく世界に、ぽつんと置き去りにされたような。アリスというのはそういうキャラクターと思っています。
 アリスというキャラの表現に関しては、氏の右に出る人は殆どいないと思っているためか……過去捏造ではなく、語られない公式設定を語られたかのような。このお話について印象を語るなら、そんな感じ。
 ところで、元人間説って求聞史紀で出ていたんでしたっけか……個人的には阿求資料についてはそこまでもう気にしてないというか、気にするアプローチをちょっと斜め方向のものにしちゃってるので、そこらへんはどうでもいいのですけども……あれ、元人間説ってあんまり信憑性ないってのが界隈の全体的な認識なんでしたっけ? 私自身、元人間説の方向に傾いててそっちばっかり考えてるので、ここらへんの感覚が曖昧なのですが……まあそれもあってか、このお話はするするするっと入ってきました。



『雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、冬ノ寒サニモ負ケナイ、ソンナ上海ニ私ハナリタイ 』 (超空気作家まるきゅー氏)がとても読み心地の良いマリアリでした。
『ムーン・クラッカー』(ロディー氏)が妙にしっくりきた。
『小悪魔の当然』(超空気作家まるきゅー氏)のこぁがかわゆい……。
『夢現万華鏡』(えび氏)には、すごく落ち着いた、それこそゆめを見ているような淡い空気を演出できているなあと感心させられました。
『今はもうない』(ぜろしき氏)はなかなか面白いアイディアの短編だったかも。
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