くるくるばたばた

主に東方SSの解説や感想と、稀に漫画とかラノベとかその他。

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東方SSメモ94
 創想話無印で面白かった作品を、作品集ごとに個人的にメモする記事、作品集94にて。
 スレに投げたレビュー(作品集ごと一気読んでレビュー名義)の転載も入ってるかも。


『向こう側』 (suke氏)
 幻想とは、科学とはなんなのだろうか。
 たとえば魔理沙は、当たり前のように空を飛ぶ。にとりもまた、当たり前のように空を飛ぶ。水を操ったりする能力もあるらしい。
 しかし、『科学的には』そんな簡単に空飛ばれたり水を操ったりされちゃあ困るのである。幻想郷の彼女たちは、だから科学の生き物ではない。幻想のものたちなのだ。

 それでは、幻想と科学の境はどこにあるのだろうか。
 そこを踏み越えたものは、どうなるのだろうか。

 科学の世界とは原理の世界であり、また幻想の世界は結果の世界であるという表現が作中に存在するが、にとりの研究はすなわち、幻想郷に既に在る結果に原理を当てはめること。
 すなわち「なんだかよくわからないものへの理由付け」に他ならない。細胞という『科学』の領域によって、『幻想』にあるものを暴こうとしているのだ。なぜなら、彼女は科学を信仰している。
 ……あるいはこの時点で、にとりという存在は矛盾を孕んでいるのかもしれない。科学とは幻想を排するもの。幻想は、科学によって世界から追い出されるものだからだ。
 しかし、矛盾であれどうあれ、にとりは科学に拠ろうとしている。そうせずにはいられない。そうするものこそがにとりだからだ。

 私は認めない。私は私の細胞からできているのだ。
 決して、訳の分からない力で出来ているはずがないのだ。
 そうでなければ、この河城にとりは一体何者なんだ?

(中略)

 自分が何で出来ているかもわからずに。
 生きていく事など出来はしない。
 河城にとりはここにいるぞ。


 彼女の研究がどのような結果に至るか。
 彼女は果たして、そこにいるのか?
 幻想を捨てた世界に生きる私たちだからこそ。ぜひともこの作品を読んで確かめ、考えてもらいたい。

 ところで、にとりの口調に違和感を感じたというコメが多いけど、個人的にはこれ以上無いくらいにベストヒットなにとりでした。あと地味に魔理沙かわいい





『【ターンテーブル・コタツムリ】』(歪な夜の星空観察倶楽部氏)を見て……アリスのことが、少しわかった気がしました。同時に、氏が描くアリスの魅力の意味も。アリスというキャラクターを考えるうえで、イメージの一部として混ぜ込んでいきたいところです。

『古明地さとり抹殺指令』(超空気作家まるきゅー氏)が、覚妖怪に対する論理勝負──に加えて精神的、観念的勝負でもあり、面白かったです。

『モルフェウスはようやく醒めた』(こうず氏)が、輝夜が蓬莱人になるまでの過程を直球で書いた話として面白かったかも。

『恋色トライアングル』(遠野はりま氏)が、霊魔理霖で珍しいくらいにド直球にラブコメやっててむずがゆ微笑ましい……もう幾つかアクションほしかったけど。

『もの斬る人びと』 (蛸擬氏)が、すごくいい短編集。キャラ造形がとても魅力的。明け透けで、だけど綿密で……「パノラマ郷綺譚」のような古風な語りもいい味出してます。

『リボン ~むすんでひらいて』(野田文七氏)のエロティックさが素敵……そして射命丸のキャラ造形がとてもいい。

『ラストサムライ ラストヴァンパイア』 (みかんの国の住人氏)がすごくいい……短編ながら、長く生きたものというのを、とても魅力的に描けている。
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