くるくるばたばた

主に東方SSの解説や感想と、稀に漫画とかラノベとかその他。

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東方SSメモ97
 創想話無印で面白かった作品を、作品集ごとに個人的にメモしたり、なんかその作品集について適当に語ったりする記事。作品集97にて。
 スレに投げたレビュー(「作品集ごとに一気読んでレビュー」名義)の転載も入ってるかも。



『めーりんゆーしえ 』(Spheniscidae氏)
 うーん、この作品というか氏の歴史作品だけど、そこに漂っていた違和感というか、引っかかっていた部分がなんとなく見えてきたかもしれない……。
 たぶんこれ、妖怪キャラの弱さ、脆さへの違和感なのだと思う。そして氏の、特に歴史が絡む作品において登場する『人間』というのは、やはり歴史に名を残した人物……すなわち『英雄』であることが多いのですね。その精神性は妖怪を上回ったものとして描かれることが多いため、妖怪の側の脆さは更に強調される。そう、氏の作品においては、妖怪の側こそが人間くさい弱さを持っていて、人間(歴史上の人物)の側こそが妖怪じみている(ことが多い、というか実は氏の作品を全て読んだわけではない)。
 この解釈は、しかし、原作の設定を逸脱するものではない……「あり」か「なし」で言うなら「あり」な方に引っかかってるくらいだと思う。ただ、その引っかかり方が、キャラによって正反対過ぎるというかな……「あり」のゾーンに引っかかってるキャラの中でも、右側に引っかかってるのと左側に引っかかってるのがはっきり分かれてるような。多くの書き手は、その人のキャラ解釈かあるいは作品によって、ある程度右側寄りのキャラ造形とか、左側のキャラ造形とかに偏ってるような感じなんだけど……氏の作品はなんかもうキャラ造形が完全に左端か右端かのどちらかに固まってて、作品によって右寄りのを出したり左寄りのを出したりということなく、両陣営のをまるっきり気にせず出してきる感じなのですね。だから読む側も、左端から右端まで、視界をとりつつ飲み込まなくてはいけないと。
 右端か左端かってのは、まあ、『完璧』か『瑕がある』かの二つだと思う……少しでも『瑕がある』キャラは、凄まじい勢いで『完璧』の逆側……すなわち『脆い』のほうに引き寄せられる、そんな引力が働いてもいる。それはたぶん氏の描く世界観というか、もっと言っちゃうと氏の思考回路、思想面にわりと根ざしてるような気がしないでもないけどよくわからん。
 まあなんというか、難儀な方だなあと思ったりしたのでした。ってか作品について語ってぬぇですが、いやしかしこれ普通に面白かったです。中身がするすると入ってきて。『黒き海に紅く』はなんだか当時の情勢やらなにやら頭に詰め込むべきことが多くて白目になった部分がなきにしもあらずだったのですが、うん、私くらいにとってはこのくらいのコンパクトな背景情報量がちょうどいいのかもしれません。



・『蟲蠱蠢蠢』(粒状斑氏)
 認識論。
 と言ったところでまあ私にはようわからんのですが、例えば人と妖とで見ているものが違うだろう、なんてのは東方二次やってる者としては多少考えたりするわけで。少しばかりネタバレになっちまいますが、実はそこらへんを扱ってる作品だったりします。そのへんをホラーという枠によって効果的に描写する……と同時に、ホラーという枠に収めたことでわりと窮屈な感じになってるところはあるかもなーとちょっと思わなくもなかったり。
 そっち側に足を踏み入れるきっかけがちょっと弱すぎないかってのとか、幽香や永琳を『普通』のものとして扱いすぎなのでは(この作品におけるリグルのようなことがこの二者にはないのか?)とか、ちょこちょこ気になるところはなくもないのですが、前述したように、ホラーという枠により面白さと空恐ろしさを演出することはできているような気持ちで、つまりそのへんは犠牲になったのだ……。
 ……いや、面白かったんだよ? ええ。



 そのほか一言感想。

『花束デスティニー』(蛸擬氏)がいい感じの幼少咲夜譚。
『厄神様のドレス』(Ministery氏)の雛の描き方が素敵。
『睡蓮の底』(浅木原忍氏)が隙の無い好い短編や……。
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