くるくるばたばた

主に東方SSの解説や感想と、稀に漫画とかラノベとかその他。

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東方同人誌感想「結局のところ平行線」
・「結局のところ平行線」(サークル:グイズグッド 作者:ナナミン氏)
 この本からぱっとれさんが受けた衝撃および解説解釈等々。誤読というよりは解釈。サンプルはこちら。委託はこちら。現代入りレイマリもといマリレイなのだけど、諸々の要素が化学反応を起こしてすごく新鮮な出来になってる。一言でいうと、普通の女の子としての霊夢さんと、レイマリという『カップリング』の両立ができちゃってる。これというのは意外と難しい……ここで言うところの普通の女の子というのは、たとえば普通に里に住んでいて妖怪退治なんかをすることも無く普通に遊び歩いて普通に男の子に恋をして普通に青春を謳歌して……というような、いわゆる「もし霊夢さんが博麗の巫女でなかったら」というIFに近い何か。
 さてそうしたIFを考えたときに、レイマリという『カップリング』に強い力を持たせるのが難しいというのは、これはもうごくごく当たり前の話。「普通の女の子」は、普通であるからこそ、女の子とくっついたりはしないのである。仮にそこで二人がくっつくとしたら、「普通の女の子」として霊夢さんと魔理沙の設定を擬似的に一次設定として置いた場合における、アブノーマルで切なげな、東方における当たり前のような百合ではない、普通の百合な二次創作のようなものになってゆくのだろうけど……それはよくある現パロや学パロで代替できるものではなく、オリキャラ男友達やオリキャラ女友達が当たり前のように入り乱れる、本当の意味で「霊夢さんと魔理沙は博麗やら魔法やら妖怪退治やらにかかわることない、里の普通の子供であった」というIFでなければならないと想像されるのだけど、相当長い作品になるだろうし誰が得するのかわからない(私は得する)し、そのような作品は寡聞にして見たことも聞いたこともない。アイスさんとかPNSさんあたりやりませんかね? マルナゲ!
 ともあれ何の話だったかというと、「普通の女の子」たる霊夢さんは、魔理沙のことを幼馴染あるいは親友という以上の、特別なものとして見ないのである。優しくてかっこよくて料理掃除洗濯その他諸々やってくれる彼氏候補を里に探しに行く、そんな『普通』である霊夢さんが、一方で魔理沙に特別な(『カップリング』的な)感情を持っていたらば、そりゃ変な話なのだ。少なくとも私の想像力の中ではね。「魔理沙でもまあいっか」とか「実は性別とかどうでもいい」みたいな霊夢さんもイメージされるかもしれないが、そりゃ普通の女の子じゃなく普通の霊夢さんだ(?)。
 個人的にはこれがなかなか微妙なところで、「霊夢さんも魔理沙も互いに別の人と(百合的な意味で)くっつきつつ、しかし互いを意識することがある」くらいならイメージがつくというか、以前「あなたとわたしの黒(?)歴史」というSSをそういうのイメージしつつ書いた気がするのだけど、これがたとえば互いに男とくっつきつつだったりするなら、色々めんどくさいことにしないと説得力をかもし出せない気がするんだよね。
 ここのところがレイマリのそこらへんに関する私の想像力の限界だったようで、彼氏候補探しに行ってエロいこととかもしてる(『普通の女の子』な)霊夢さんと、霊夢さんのことが好きだけどまったく相手してもらえなくて神社に遊びに行ったら留守番させられて霊夢さんは夜になっても帰ってこなくて男のところに泊まってるに違いなくて一人でえぐえぐ泣きながらごはん食べて酒に溺れるネトラレイマリであふぅするのが関の山だったわけだ。
 こんな感じに、普通の女の子としての霊夢さんと、レイマリという『カップリング』の両立は難しいと私は考えるのだけど、さて「結局のところ平行線」の話に戻ろう、この作品はそこのところに、現代入りという形で解を与えている。
 これがどういうことなのかというと、つまり、霊夢さんの内面を『普通の女の子』にするよりも前に、立場や環境を、『普通の女の子』のそれに落とし込むわけだ。であれば、仮に『普通の女の子』を霊夢さんが楽しんでいると前提しても、霊夢さんの内面、本質部分が『普通の女の子』のそれであるとは必ずしも繋がらない。そこに、『普通の女の子』としての霊夢さんに、レイマリという『カップリング』を並び立たせる余地が生まれる。というノリ。
 現代という舞台なので、霊夢さんにとっての魔理沙の特殊性というのも説得力を持たせやすい。また、ストーリーメインというよりかはシチュエーション萌えな本、ややもすれば説明不足と取られかねない部分はあるのだけど、実はそれもまたうまくはまってる。少なくとも『レイマリ』に必要なところはすべて描かれてるように見える……というかギリギリの材料でなぜかバランスが取れてる、一見足りなそうに見えるんだけどなぜか足りてるという確信があるという感じなのだけど、ここはいまいち理屈にできない……たぶんだけど、これ、女性的な感性っていうやつなんじゃないかなーという気がする。
 さてそんな感じで、私の射程の一歩外から殴りつけられた感があってすごく面白かったのでした。というか、なんか知らんが、東方で初めて現代入りを見たような気になった。「恋の魔法使いが別れる魔法を唱えたんだからな」の時点でもう敗北感MAX過ぎてヤバかった。死んだ。くそ。


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