くるくるばたばた

漫画とかラノベとかその他について適当に書くブログ。SS書きたいと思ったりもしてる。いまは主に東方とか。

とある科学の超電磁砲 1巻
 原作八巻を彷彿とさせる色合いの表紙、そこから始まるは、原作においては既にラブコメのヒロインと成り果ててしまったがそれでも十分にむしろだからこそ可愛い御坂美琴お姉様を主人公に据え、彼女の奴隷志願もとい忠義の徒である白井黒子をパートナーとした、魔術と科学が混在する世界における科学サイドのお話。

 ラノベ原作の漫画は基本的に地雷だというのは偏見だとわかっている、わかっているけれどしかしそのことを強く意識させられてしまうような出来。素晴らしく上手な料理かと。
 確認すると、これはライトノベル『とある魔術の禁書目録』においてメインかサブかは微妙だけどとにかくヒロインを務めている御坂美琴とその周囲に焦点を当てた外伝。時間軸としては原作一巻の前後──ちなみに美琴は原作一巻時点で登場していますが、まともな出番を与えられるのは三巻が初めてだったりします。一巻のはほとんど顔見せ。

 何が上手かって言うと、キャラクターの描き方とお話の作り方。どちらも一言でまとめると「原作の雰囲気が出ている」んですよね。美琴と黒子、及びその周囲は原作の八巻においてそれなりにクローズアップされているのですが、そのあたりで描かれた彼女達の日常描写をふんだんに盛り込んでる──原作の方向性を踏襲しながら、原作ではやっていなかったことをやってるのがこの漫画。そこらへんの小細工に、非常に愛情を感じてしまうのです。

 例を挙げるなら、序盤のシャワーシーン。実は、原作八巻においても同じようなシャワーシーンがあります。
 でも原作のシャワーシーンでは、美琴が黒子の瞬間移動を失敗させているのです。結果として突撃は無し……いや、まあ黒子が突撃自体はするというかドロップキックかましますが。しかしそこでこの漫画版ですよ。見事に突撃成功してます。原作のシャワーシーンの焼き直しではなく、別種類のシャワーシーンを見せてくれているのです。

 こんな感じで、イベント自体は似ていたり同じだったりしても、その内容がちょこちょこ変化しているあたりがとても好き。美琴と当麻が初めて会ったシーンとか、お話としては微妙に原作とずれてる部分もあるのだけど、それが気にならないくらいに、原作に合わせる形でキャラクターが描かれている。当麻視点の原作と美琴視点の漫画版、視点が違うというだけでキャラクター造形とかある程度立体的になるというのに、更なる工夫を凝らしてくれちゃってるのです。原作に足がついてる感じのオリジナル展開。画力も高水準だし、もうがっちり。

 ただ、原作との中途半端な絡み方をどう処理してくれるのかというのは気になるかも。上条当麻の処理の仕方ね。
 この巻に収録されている話は七月十六日から七月十九日。そして七月十九日は原作一巻のお話が始まった日であり、実際この巻に収録されている話と原作一巻のプロローグ部分には繋がりがあります。真実原作の外伝であり、この外伝の裏では上条当麻を主人公とした本編が進行している、と思わせるつくり。
 だからこそ上条当麻の処理が気になって、何故なら、原作をなぞっていくと、この後美琴が、この上条当麻と会えるのはあと一回きりだから。その一度が終わった後は、既に原作三巻の内容に入っちゃわないと、美琴と当麻が会うことは無い。
 でも前提として、この外伝が外伝でいられるのはおそらくそこまでで、原作三巻の内容に入っちゃうと、もはやそれ以降は外伝ではなくなってしまう。それ以降は美琴も本編に組み込まれているのだから。

 そして何より問題なのが……原作三巻において美琴の出番は多いけど、だけど彼女は主人公ではなくヒロインやってるんだよねーと。むしろそのヒロインの役柄すら御坂妹に食われて……。
 美琴に関して最も盛り上がるエピソードであるのは間違いないんだけど、あのエピソードをこの外伝に持ってくるのは難しそうで。黒子の出番も無いし。
 とは言え、このクオリティで原作三巻の美琴視点を見てみたいという気持ちもある……ああもう、どうすればいいのやら。

 とりあえずあれです、この漫画読んでない人は、美琴が可愛いので読んでみるといいと思います。黒子の可愛さにも磨きがかかってるしねー。

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