バニラ A sweet partner
閑静な街で相次ぐ狙撃事件。それを追う警察の捜査線上に二人の女子高生、海棠ケイと梔ナオが浮かび上がる。次第に追い詰められ行く彼女達は手にした銃とパートナーだけを信じ、一寸先すら見えぬ逃避行を開始する。第5回新人賞大賞作家が放つ、渾身のスウィート・ガン・アクション!
はーん百合百合百合百合
作者のアサウラ先生は『ベン・トー サバの味噌煮290円』で名前を知った方なのですが、なんか聞いてみると、この人の本領は銃と百合だよという話があったので、とりあえず読んでみました! 銃のことはよくわからないけど、とりあえず素晴らしい百合でした!
甘い香りを放つ二人の世界が綴られる一方で、二人を追う警察の側、地に足のついた苦味のある視点でも語られる。閉鎖した世界で二人が見つけた幸せはたしかに二人にとっては幸せで、しかしそれは外から、感情移入を抑えた視点においても語られるのです。ケイとナオの百合だけで十分すぎるほどにお腹一杯なのだけど、警察側の視点が入っていることで、味に深みが出てるような感じです。
そしてそれらがたしかに交錯しながら、しかし、混ざり合うことは無い切なさ。やはりメインはケイとナオの物語、警察側の二人、中谷と元川は刺身のツマかアイスのコーン。
中谷と元川の二人は結局のところ何もできず、しかしたしかに何かをできていて──二人がいなければ、物語は別の結末を迎えていたわけで。それを知るのは読者だけなのだろうけど、そういうのが個人的にとても好きだったりします。


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