桂ヒナギクが綾崎ハヤテに惹かれた理由(桂ヒナギクトゥルーエンド論その1)
「ヒナギクは、いつどうしてハヤテのことを好きになったのか」
……考えてみると、この問いはずるいな。
「どうして」に関しては、具体的に言える。でも「いつ」については、ちょっと微妙かも。
そのきっかけが「いつ」あったのかは言えるけれど、それはきっかけでしかない。いつのまにか好きになったというのが一番正しいのかもしれない。だから、やっぱり「どうして」のみ私の思う解答をまず記すことにします。
要は、姉に似てるから。
これでお話を終えてしまうのはあまりに味気ないので、もうちょっとだけ続けますけれど。
○あこがれ。
誰かを守るだとか、誰かのヒーローだとか。そういう概念が比較的頻繁に登場する漫画だと思っています。
ナギや伊澄はもちろんのことですが、ヒナギクもそうです。ヒナギクにも、ヒーローがいます。
両親の失踪。八千万という借金のもと、六歳にして住むところを失くし、冬の街をさまよい歩いたらしいですが、その時に彼女がたった一人頼れたひと。
そんなどうしようもない状況で、わずか十八歳にして、自分を守りきり、借金すらも返してしまったひと。
ヒナギクにとって姉がどれほど大きな存在だったのかは、想像に難くありません。
・尊敬。
具体例その一。十巻十話。「尊敬してた」ってヒナギク普通に口に出しとります。
補足として。「お金より大事なものがあるって教えてくれた」ともあるのを見ると、裏を返せば、ヒナギクはそれを知らなかったということでもあり。かつてのヒナギクさんは、お金が原因となって両親を失ったということもあり、お金より大事なものなど無いと思っていたと考えられます。当時のヒナギクさんのやさぐれ具合が目に浮かぶようです。
そして、それを変えてくれたのも、姉。
・「私があなたを守るから」(参考:BSvol57)
具体例その二。前後して、六巻二話。
ヒナギクが美希に向けて放ったこの台詞は、雪路さんの受け売りであることが明かされています。
この台詞をヒナギクが使うということは、かつての雪路さんについて、自分もそうありたいという気持ちをいくらか持っているということだと考えてしまいたいのですがどうでしょう。
○きっかけ。
要は、ヒナギクもまた伊澄のように、自分にとってのヒーロー的存在に惹かれる素地があったということです。
それを踏まえて四巻の五話。時計塔から落ちかけた姉を助けたハヤテは、ヒナギクにとってじゅうぶんにヒーロー的であったのではないかということ。加えて五巻の四話で、ハヤテがちゃんと助けに来たこともあり、段々と好きになっていったと──ヒナギクのその気持ちは、かつて姉に向けられていた頃は、もちろん恋愛感情へと結びつくことは無かったけど。異性に向けられてしまった場合は、その限りではないのです。
余談。五巻四話は「言ってくれれば助けに行きますよ」の言葉がスイッチになっているけど、四巻四話の微妙な反応を見ると、これも、似たようなことを雪路が以前言ったのではないかと考えるのはそんなに不自然なことではないと思いたい。
○重なるもの。
ヒナギクがハヤテの境遇を知ったシーン。正直なところ、「ないないそれはない」と突っ込まざるを得ない部分ですが。
ヒナギクはここで、ハヤテと自分を重ねています。しかしこれは、ヒナギクの言う「痛み」──両親に置いていかれたことに、彼も何らかの感慨を抱いているとしたら──という一点に関してでしかないことを認識しなくてはなりません。これが微妙にミスリードです。
冷静に状況を見るならば。ハヤテが重なるのは、ヒナギクではなくむしろ雪路です。まだ幼く無力であった少女ではなく、押し付けられた借金をどうにか返済しようと奮闘した高校生こそが、真にハヤテの状況に重なります。
ここでハヤテの兄がどうのこうのという話もできなくはなく、これを盛り込むことでもう少し妄想を発展させることもできる気がするけど、今回は割愛で。
続きました。
・無力な自分と、どうにかしてくれる誰か(桂ヒナギクトゥルーエンド論その2)
・『姉』と『妹』(桂ヒナギクトゥルーエンド論その3)
……考えてみると、この問いはずるいな。
「どうして」に関しては、具体的に言える。でも「いつ」については、ちょっと微妙かも。
そのきっかけが「いつ」あったのかは言えるけれど、それはきっかけでしかない。いつのまにか好きになったというのが一番正しいのかもしれない。だから、やっぱり「どうして」のみ私の思う解答をまず記すことにします。
要は、姉に似てるから。
これでお話を終えてしまうのはあまりに味気ないので、もうちょっとだけ続けますけれど。
○あこがれ。
誰かを守るだとか、誰かのヒーローだとか。そういう概念が比較的頻繁に登場する漫画だと思っています。
ナギや伊澄はもちろんのことですが、ヒナギクもそうです。ヒナギクにも、ヒーローがいます。
両親の失踪。八千万という借金のもと、六歳にして住むところを失くし、冬の街をさまよい歩いたらしいですが、その時に彼女がたった一人頼れたひと。
そんなどうしようもない状況で、わずか十八歳にして、自分を守りきり、借金すらも返してしまったひと。
ヒナギクにとって姉がどれほど大きな存在だったのかは、想像に難くありません。
・尊敬。
具体例その一。十巻十話。「尊敬してた」ってヒナギク普通に口に出しとります。
補足として。「お金より大事なものがあるって教えてくれた」ともあるのを見ると、裏を返せば、ヒナギクはそれを知らなかったということでもあり。かつてのヒナギクさんは、お金が原因となって両親を失ったということもあり、お金より大事なものなど無いと思っていたと考えられます。当時のヒナギクさんのやさぐれ具合が目に浮かぶようです。
そして、それを変えてくれたのも、姉。
・「私があなたを守るから」(参考:BSvol57)
具体例その二。前後して、六巻二話。
ヒナギクが美希に向けて放ったこの台詞は、雪路さんの受け売りであることが明かされています。
この台詞をヒナギクが使うということは、かつての雪路さんについて、自分もそうありたいという気持ちをいくらか持っているということだと考えてしまいたいのですがどうでしょう。
○きっかけ。
要は、ヒナギクもまた伊澄のように、自分にとってのヒーロー的存在に惹かれる素地があったということです。
それを踏まえて四巻の五話。時計塔から落ちかけた姉を助けたハヤテは、ヒナギクにとってじゅうぶんにヒーロー的であったのではないかということ。加えて五巻の四話で、ハヤテがちゃんと助けに来たこともあり、段々と好きになっていったと──ヒナギクのその気持ちは、かつて姉に向けられていた頃は、もちろん恋愛感情へと結びつくことは無かったけど。異性に向けられてしまった場合は、その限りではないのです。
余談。五巻四話は「言ってくれれば助けに行きますよ」の言葉がスイッチになっているけど、四巻四話の微妙な反応を見ると、これも、似たようなことを雪路が以前言ったのではないかと考えるのはそんなに不自然なことではないと思いたい。
○重なるもの。
なんとなく気になっていたのは…なんとなくでも感じとっていたからなのだろう。
この人がもしかしたら…自分と同じ痛みを…抱えているかもしれないという事を…
(八巻七話)
ヒナギクがハヤテの境遇を知ったシーン。正直なところ、「ないないそれはない」と突っ込まざるを得ない部分ですが。
ヒナギクはここで、ハヤテと自分を重ねています。しかしこれは、ヒナギクの言う「痛み」──両親に置いていかれたことに、彼も何らかの感慨を抱いているとしたら──という一点に関してでしかないことを認識しなくてはなりません。これが微妙にミスリードです。
冷静に状況を見るならば。ハヤテが重なるのは、ヒナギクではなくむしろ雪路です。まだ幼く無力であった少女ではなく、押し付けられた借金をどうにか返済しようと奮闘した高校生こそが、真にハヤテの状況に重なります。
ここでハヤテの兄がどうのこうのという話もできなくはなく、これを盛り込むことでもう少し妄想を発展させることもできる気がするけど、今回は割愛で。
続きました。
・無力な自分と、どうにかしてくれる誰か(桂ヒナギクトゥルーエンド論その2)
・『姉』と『妹』(桂ヒナギクトゥルーエンド論その3)


取り急ぎ……
呼び方が「綾崎君」になった時だと考えてます。
理由は記事に書きますが、まぁ、俗な言い方だと『ツン』状態になったと(笑)。
しかし何気に、
>重なるもの
が重要ですねぇ。思索を深めれば、98話解体まで行きそうで、久しぶりにワクワクしています。