ムシウタbug7th. 夢高まる鳴動
「出会わなければ良かったのか……?」
やっぱり、さ。
その問いを一片の迷いもなく否定する誰かがいてくれて、その答えに完膚なきまでに納得させられてしまう、そんな幸せがあるお話だと思うのですよ。
おそらく──bug7thという本のサブタイの候補としては、「夢高まる鳴動」ともう一つ、「夢兆す集い」が挙げられると思うのです。
「夢兆す集い」は、bugという一連の物語の終焉の気配を、否応なしに感じさせるお話。ギミックとしては、本編とbugを通して最も燃える趣向と言っても過言ではない、そんな戦場が用意されて。すべてが叶うわけではない結末が用意されていると理解していながら、それでもいくらかのまやかしの希望を見せてくれる──盛り上がりとしては、最高潮に達している部分と言ってよいでしょう。
しかし、この本のサブタイトルに選ばれたお話は、「夢高まる鳴動」。
「私と、手を繋いで」だとか。恵那たちとのお話の終点の気配だとか。見所は多々あれ、どちらも以前からにおわされていたこともあり、やはりインパクトとしては、「夢兆す集い」の方が上なんじゃないかとか。
そんなふうに感じながらも、「夢高まる鳴動」がこの本のサブタイとして添えられることに何一つの違和感も無いのは、bugのみならず、このムシウタというお話すべてを飾るあの言葉があるからなのでしょう。
「関係ないことは、ないわ。だって摩理のことを調べ始めたことが、きっかけなんだもの。摩理のおかげで、たくさんの虫憑きと出会っていくうちに私は──」
一之黒亜梨子っていうのは、ほんとうに、ムシウタという物語に魅せられた人たちの代弁者なんだなあ。


コーディネートに定評のあるハルキヨ
恐さを認めて、虫憑きと出会いを肯定してと、bug全編を通じての亜梨子の集大成みたいな巻でしたねー。また、結末は残ってるんですが((((( ;゚Д゚)))
あと2〜3回、たぶん次の巻が最終巻なのでしょうね。