くるくるばたばた

主に東方SSの解説や感想と、稀に漫画とかラノベとかその他。

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東方同人誌感想「少女弾幕地獄4 6'38''」
 紅楼夢本その一。その二か三か最大四くらいまであるかもしれない。
 ついったーからの転載です。


・「少女弾幕地獄4 6'38''」(サークル:音速うばぐるま 作者:手押し車氏)
 さて前巻をサンプル一目惚れ買いしこれ続きものだああああああああああと気づいてからの第四巻。なんかなんとなくたぶんおもしろい。

前巻が面白かったのとあと霊夢さんが出るっぽいので買ってみたのです。『基本的なところを読み込みつつ自分なりのアレンジができるくらいのレベルであるのはたぶん確か? 総合的にいって、わりと普通に面白げって感じかなぁ。(面白さの絶対値的に普通ってことじゃなく、方向性的な意味で。以下略』

というのをもう一度使いたくなる感じ。普通に面白い。バトル多め。きっとゆかれいむ。霊夢さんかわいい。魔理沙ちゃんもかわいい。このひとの霊夢さん作品を読みたい(褒め言葉

感想というか紹介というか分析じみてしまうけど、独自性を盛り込んだバトルを描くのが好きそうなこのタイプは、SS書きで言うならプラシーボさんに近いものがあるかんじ。ただ漫画という媒体でこの話を展開する上で仕方のない瑕というか、ちょっと俺理屈を説明しきれてない感じがあり。

もうなんか冒頭で「文章」を使ってこの作品における世界観みたいなの説明しちゃうくらいだしね。そして正直、後半の諏訪子関連のあれこれについてはもうなんかちょっとよくわかんないし。(「説明」が一応為されてるのでちゃんと読めばわかるもんだと信じるが)

そこらへんの俺理屈は、少なくともこの作品においてはおそらく面白いものだと思うので、そこんところが説明不足で流されぎみ(たぶん)なのは少々残念。でもこれって欠けてるから残念というよりは少しでも在ればプラスというタイプの性質だと思うので、欠点かというと実は微妙なのかもしれない。

しかしところでしかししかし、この作品の強みは実はそういう俺理屈というよりは、どちらかというともう単純に「漫画媒体における魅せ方」の好さにあると思うのですね。緩めるところは緩めて締めるところはがっつり締めて。なんかちょっとよくわかんないところはあるけど絵的かつ画的にすごい。

……画的ってなんか私が勝手に使ってる適当な言葉の気がしてならず少々怖いが置いといて。まあようするに、ごくごく普通に、漫画として面白い。前述したとおりバトル分が多めで、バトルの「動き」をきっちり追えるレベルかというとそこまでではないかもしれないっていうかさすがにそれは求めすぎで、

同人誌に求めるものじゃないって言うかジャンプに載ってるバトル漫画でそれを成しているのがいったいいくつあるだろうかって話がずれてる、でも「動き」を追うことこそ微妙だけども「魅せる」センスがすごいんで、総合的にやっぱり読める。

説得力には溢れてるんで、あともう少し説明力が付加されれば最強だもんげって感じの作品。とても面白いです。おわり。


東方同人誌感想「パチュリーといっしょ」
 例大祭SP本感想?
 ついったーより転載。

・「パチュリーといっしょ」(サークル:ひとみしり 作者:甘党氏)
 なんかもうこの人が(絵的な意味で)描く東方キャラクターが好きで好きで、もう普通にファンになってしまった。今回は魔理沙とアリスとパチュリーなんだけど、ほんと、普通に、「女の子」を描いてるんだよね。それこそ十歳前後の女の子みたいな。ネタ自体は二次創作であるある系だったりアリスの性格とかもわりと二次ネタ的だったりと、キャラクターの精神的な幼さがかなり前面に出てるんだけど、絵の、造形としての女の子のイメージと合ってるので、意外なほどに違和感がない。これたとえばSSだったり、漫画でももっとキャラを大人っぽく描いてるものだったりしたらたぶん私ぜんぜん波長合わないだろうと思う。あと、戻った直後(最後にはアレだけど)の凛々しげなパチュリーがいい。あとおっぱい。
東方同人誌感想「魔理沙と霊夢」「少女弾幕地獄3 妖怪の線と人間、そして」「百年先の君へ」
 夏コミ本感想。ついったーからの転載です。


・「魔理沙と霊夢」(サークル:ひとみしり 作者:甘党氏)

よく見たらこれ夏コミじゃないが問題ない。わりと絵に惚れたかんじ。ストーリーは、シリアス幼レイマリをほのぼのにコンバートしたかんじ。本自体も薄いし、ストーリーもそんな詰め込まれたり深かったりするわけじゃなさそうなんだけど、

何かすごく端整に仕上がってるという印象がある本。キャラ、まあ霊夢と魔理沙なんだけど、それが絵的にも精神的にもすごくちゃんとロリロリしてるというかな。ロリロリって言うとおかしいな。ちゃんと「子供」、ちゃんと「少女」やってるってかんじ。ストーリーと絵の方向性をちゃんと合わせると

こうなるのだなぁと。薄い本はあまり好きじゃないことが多いんだけどこれはわりと普通に好き。




・「少女弾幕地獄3 妖怪の線と人間、そして」(サークル:音速うばぐるま 作者:手押し車氏)

これはもうごくごく普通にサンプル一目ぼれ。http://shop.melonbooks.co.jp/shop/sp_212001041824_onsoku_youkainosen.phpこれの三ページ目ね。ていうかこれもよく見たら夏コミじゃねぇがどうでもよいのであった。このサンプルを見た瞬間手放せなくなった。

このほかにもサイトのほうに十ページくらいサンプルあるのでそっち見るのもいいかも。http://ubaguruma.houkou-onchi.com/index.htmlなんか実は続きものの三冊目のようで、早苗とフランドールが戦うみたいな感じなのが前二冊らしい。この本はその続き、早苗とフランドールが一緒に行動するところ。なんか早苗が諏訪子様を追っていてフランドールがそれについていくみたいなノリ?

全体的に紙面がごちゃごちゃしてる感はあるんだけど、どちらかというとこっちでちゃんと細かく見て咀嚼する系の楽しみがある程度。さっきの三つ目のサンプルもそうだけど、決め所はちゃんとごちゃごちゃしつつも画面の力で見せてきてる感。あと個人的にこのキャラの(絵的な意味での)描き方はすごく好きで、なんだろう目の描き方とかだろうか、何かしらの懐かしさを伴った「好き」のような気がしてならないんだけど何の系統なのかはちょっとわからない。デジモンがやや近い……か?

お話面では、サイトにあるサンプルの一枚目でフランちゃんが「後片付けしなさいって習わされた。生体部品(かみのけ)は私直せないや、ごめんね」といって早苗さんと自分の服を魔法ちっくに直してるのを見りゃわかるだろうけど、基本的なところを読み込みつつ自分なりのアレンジができるくらいのレベルであるのはたぶん確か? 総合的にいって、わりと普通に面白げって感じかなぁ。(面白さの絶対値的に普通ってことじゃなく、方向性的な意味で。ハンタでいうならほんの少し放出系に寄った強化系みたいな?)ちなみにこの一冊では終わりません。続きます。ていうか続き物の三冊目しかないのでお話面はちょっとよくわからんのですが、絵と画面の力だけでけっこう強い感じだったよというお話でした。




・「百年先の君へ」(サークル:poprication 作者:べにしゃけ氏)

最後にして初めてちゃんと夏コミの本を。サークル買いです。同サークルの「センチメンタル・サマー」は掌編なのでひとまずおいておく。リンク先は作者サイト。http://ricecake.moo.jp/

魔理沙が魔法使いになるお話、と聞けばレイマリャーな人はああはいはい、はいはいはいはい、はいはいはい、と一を聞いてだいたい六か七くらいはイメージするんじゃないかなと思います。んで、正直にいってしまうと、この本単体では三くらいに留まってしまっているなーというのが素直なところ。なんとなく綺麗なお話だけどそこまでではないかな、と感じてしまうのは、私がもう少しエグいの好みだからなのかもしれないし、いま考えているレイマリ1のネタ絡みでこういう綺麗な結末にできたら苦労ねぇんだよぉ!!って気持ちがあるからかもしれない。いやほんと、こういう綺麗な結末にできたら苦労ないんだよぉ……。

ていうか正直レイマリ1については詰まってるので、これに対するアンサーという意識を持ってみるのもいいかもしれないなんて思ってたらちょっとイメージ湧いてきた気がする。「わたしを殺さないで」「あなたとのわたし」「いちばんたのしかったころ」「誓いみたいだ」……ふむむ。

さておき、この本単体に関してだと、表面を掬った感がちょっと強いかなーという。なのでこの本の楽しみ方は、サークルpopricationの既刊と合わせて見ることかなーと。これ自体は既刊のシリーズとは繋がりないはずだけど、既刊のシリーズは幼少レイマリの出会いから霊夢視点魔理沙視点と描いて、二人のあいだにちょっと陰りが出てきたところで続きはまだ。その幼少レイマリの流れに続くIFルートとしてこういう結末になってしまった、なんて考えてみると萌えるんじゃないでしょうか。この本における、主に霊夢の心情を具体的に補完する手段として既刊がたぶんよい素材。……逆に言うと、この本だけだと、霊夢から魔理沙への気持ちがちょっと抽象的過ぎないかなという感じがする。(言葉を適当に使ってますね?)(はい)

全般的にレイマリはもっとエグいものだと思う……少なくともエグくなりうるものだと思うんだ……このサークルさんはわりときれいな感じにレイマリを描いていて、それはもちろんまったく否定しない(否定してたらサークル買いなんてしてないですね)のだけど、ちょっと今回は踏み込みが浅すぎる印象だったのでした、まる

「博麗霊夢と幸福論」おおざっぱに覚え書き

※ついったーから転載

幸福論での紫を、二次創作者という意味もひっくるめた私達、という立場と対比する見方は一つあるとして、……するとどうなるんだっけ

えっと逆か。紫と照らし合わせて私たち自身を見るんだな。そうすると幸福論は二次創作者への絶望を現している本だと気づく(一足飛び

幸福論で語られている話の中に霊夢さんの自己は存在しないわけで、すなわち私達が書くSSにも霊夢さんの自己は存在しないのでして、……ってかんじだっけ?

一回性っていうのは紫=私達の救いを考える上で使った言葉なんですか?

幸福論の紫がゴールにたどり着くことが無いのはなぜか。それは、既にゴールを通り過ぎているから。スタート地点がゴールなので。

一回性という言葉にこだわるのはなぜか。それは、二回以上だと無限とイコールになってしまうから。どのような霊夢さんでも霊夢さんになってしまうから。どのようなものでもあるというのはどのようなものでもないのと同じであって、だからそれこそ「れいむ」って書いただけの風船でも何も問題ない。

壱=無限ですね。壱=無限であることがこの作品における紫の救いの無さになっている。なぜなら霊夢さんは零にいる。

うーん、あれ? なんか話の展開の仕方を間違った気がする。

おいしかった。うしまとめ。流れ的に、霊夢さんがいないからこのお話は絶望のお話なんだ最悪だーって言いたそうに見えるかもだけど、いや、実は、これはこれで問題ない。どのような霊夢さんも霊夢さんとしてありのまま受け入れる、それでいい。事実、紫は幸福だ。

外から見たら「霊夢さんいねーじゃねーか!」ってなるけど、「れいむ」って書かれた風船を変わらず愛することができるなら何も問題は無いんだ。

では何が問題になるのかというと、私たち自身が問題になるんだ。幸福論において、私たちと似た立場に置かれた紫。紫は幸福だ。では、私たちは?

わたしたちは「れいむ」と書かれた風船を愛することができるのか? という話なのです

できるのなら、幸福論における紫と同じで、何も問題ない。しかし、それに疑いを抱いてしまったとき。君たちの作品の中に霊夢はいるのか? いないだろう? ではどこにいるんだ? ”どこにもいないだろう?”

どうやらかつての私は、その問いかけを以って、幸福論の呪いと呼んでいたらしい(追記:その問いを私たちに突きつけること、この紫を見せることでそれに気づかせるということが呪いね

ちなみに、幸福論世界において、幸福論の紫にとっての霊夢さんは、「いる」と思われます。ほんの七行だけ記されている、ごく当たり前の日々を過ごし、ごく当たり前に幸福に暮らし、どこぞの人間と結ばれ、子を為して、少しずつ大人になり歳を取って、人間のままで息を引き取った霊夢さんが。

あの紫が収束するとしたら、その、霊夢さんのことを思い出して、まあ勝手に消えてゆくんでしょう。(なんとなくミスミソウ最終巻のイメージが浮かんだ

では私達にとってその霊夢さんはいるのかというと、まあそれを見つけることが私にとっての解呪だったわけで……

普段と同じようにイメージしただけじゃないのか、そこには何の特殊性も解としての必然性も無いのではないかと問われると、まあそうなんだけど、そこに他人の認識はたぶん「関係ない」。そこらへんは自分の心に、自分の中の確信に問いかけてみてくださいなという。

(原作の霊夢さんがそうなんじゃないの?)(たぶんその指摘はある面でとても正しい)

東方同人誌感想「博麗霊夢と幸福論」
(いつぞやのついったーに流した感想メモ)


幸福論の冒頭って、ようするに、ぼくらだよね。

あれは或る霊夢スキーの祈りにしか見えなかった

しかして同時に、八雲紫ですらある。紫が、いるのだ。私たちと同じようにただただ霊夢を想い、霊夢の幸せだけを考えて、霊夢の幸せを自身の幸せとするに至ったものが。ならばこの物語は、そこで既に終わっているでしょう。ここは私たちでなく、彼女の祈り場だから。



よーし幸福論読み終えたがよくわかんない! なにがわかんないかもわかんない! ごめんちゃい!

冒頭。紫=作者=ぼくら=報告者(この作品内での役割でなく、作品の、物語の綴り手として。あるいは創り手として)。むしろ後書きから引用してきたほうがわかりやすいかもしれませんねここは。

冒頭において、紫=ぼくら(二次創作者)と思って読むのはかなーりわかりやすいとっかかりなので、胸に留めておいていいような気はする……というかそれが理解できないなら、ちょっと楽しみ方が限定されてしまうような気がするけどいやむしろそう思うからこそ限定されるんでしょうかね。

幸福であって欲しい。そんなお話を書きたい。とはいえ、それは酷く難しいことで、霊夢について考えた先に必ずハッピーエンドがあるとも限らなくて、むしろバッドエンドばかりがそこに立ちはだかっていて、どうしたらいいかわからなくなることはありませんか?

ああしてこうして、手を変え品を変え、彼女の周りの様々な変数に手当たり次第に値を突っ込んで、結果を見て落胆して、それでもどうにかして幸せなお話を書きたいと願う。……しかしですね、これをやると、土台が揺らぐのです。霊夢の周りだけでなく、霊夢そのものを変数と化してしまう。

これは幸福論よりかは、二次創作者の側に立った思考かもしれませんけども……しかし、大なり小なり、揺らぎは生じてしまうと思うのです。もし、周りを変えても博麗霊夢は微動だにしないと言い切れる人がいるなら、それはすごいと思う。素直に。私には難しい、というか無理だ。

(どこまでを「霊夢」とするか……環境によっても人は変わる。まあ些細なことなのでここでは触れませんけども)

さてその揺らぎの中で、どこからどこまでが霊夢を規定するのか? 『博麗霊夢とは何者なのか?』 平行世界という無限性に手を出した時点でこの問いに答えることはもちろん不可能に近くなるのですが……。

おそらく一般的かつ妥協した解として、「すべてが霊夢である」という方向に、少なくとも私は落ち着きます。落ち着かせざるをえない。すべての霊夢を霊夢と認め、信じ、愛するという解。それは当然ながら、「博麗霊夢はどこにもいない」という認識をも映し出します。

冒頭に関してはこんな感じと……あと二点。一つはつまんないこと……「笑わせようとすれば」「安らげようとすれば」「眠らせようとすれば」「あえて不幸を取り除かずに」のあたりは、収録された四編に対応しているのかしら。

もう一点は、「博麗霊夢がいない」ことへのもう一つの解釈……なのだけど、これちょっと自分が書く予定のSSのネタに食い込む部分があるので放置。

でまあ、萃香アリス文魔理沙の四編に行くのですが……えーと、ここでたぶん抑えておいたほうがいいのは、「霊夢は根本的に孤独である」ということ。

(あーくそ、一読だと特に前半部分は関連付けて読めてないなあ。記憶力ェ……)

(あるぇー萃香の話で寂しさについて言及した箇所があったような気がしたんだけど)

(萃香が「ひとりはさみしくないの?」と訊くところと、萃香がいなくなったところかな。まあそれはひとまずいいんだ)

背景設定としての「霊夢の孤独」。 これは私の霊夢観というか、霊夢のお話を書いてる多くの場合において前提となっているのでわりとすぐにピンときたというか捏造解釈したのですが、これ、霊夢はほっとくとひとり死ぬんですよ。ひとりだけ人間のまま死んで、他の者達は何事もなく続いていく。

分かたれているのですね。霊夢という人間と、それ以外が。初めは一人。一人きりなのです。だから作中では、誰かと共にある姿が描かれることになる。

すべての話は魔理沙がアリスに結婚を申し込むことから始まるのですけども、この「結婚」というのも象徴的ですよね。萃香の話では、他の話に比べてフラットな愛情、誰かと共にいることと、一人きりであることがストレートに描かれていて、最初に相応しいものだと思います。

”元に戻っただけだ。初めから、一人だった。一人きりの家だった。”──ストレートなのです。アリスの話は、ここでは満たされなかった「身を焦がすような恋路」のかたちとして描かれ、それは文の話も同様なのですけども……アリスと文の話に至るには、そういう事情での紫の観測域変更があった。

では萃香の話に至るまでの変更には、どんな事情があったのか……正直確信は得てないのですけども、関連あるとしたらこの辺かなーという。

あとそうだ、前提条件、「霊夢の孤独」について。すべての話が、「魔理沙がアリスに結婚を申し込む」ところから始まるのが象徴的で、つまりここにマリレイはねーのです。マリアリです。魔理沙は当然のように人間をやめるということが、少なくともここにある、すべての話で規定されているのです。

咲夜と早苗はどこにいったか? たしか文の話だったと思うけど、「人間のお客さんなんて魔理沙くらい」みたいな話があった気がするのですね。早苗はもう神様。そしておそらくこの作中では、咲夜も人間をやめているのかなという。

萃香の話は……「結婚」をストレートに映して……一人きりという霊夢の孤独を証明かつ反証している……(まとめ  ああそれと、紫の「次の機会」ってのがあれですね……霊夢の唯一性を放棄してる言葉だよね……作中内の事実としては、いちおう、「観測域の変更」のはずだから……

「次の」という言い方が、あるいは本当に縦方向に(この作品は横方向の無限性)繋がっているのなら、それは救いであるのかもしれません……そう、ヨコに対抗するのはいつだってタテなのです……

でも紫の観測域変更だと、タテにつながってるのは紫だけなんですね……残念、やっぱり霊夢はどこにもいません……


※(ここで一日中断。ここから翌日朝)


えーと、昨日の続き。参、アリスさんのおはなしですね。なんかこれどっかで見たことあるなーと思ったのですが、夜伽に以前投稿されたやつを改稿したやつっぽいです。霊夢タグであさりまくってたときに軽く目を通したっぽい。

しあわせに恋をして破れてぐっちゃぐっちゃーんとなるおはなしです。幸福(笑)。このお話では、八雲紫さんのねじれっぷりと、「博麗霊夢と幸福論」というお話のエグさが現れていると思われるのですが、初見の私は、むしろ救いのあるお話だなーとすら思ったりもしてたのでした。

どういうことかというと。冒頭部分に関してつれづれった段階で、八雲紫=二次創作者の視点を持つととっかかりになるかもーみたいなことを書いたのですが、そこはまあ八雲紫、「こっち」と「そっち」のあいだにいるひとなのですね。

このお話のように、作中キャラクターとして霊夢を救済できるという、とてもとても羨ましい立場にあるひとなのです。これが私などなら、「ここまでお話ができてしまった」以上、もうなかなか厳しいものがあります。なんも考えずにやったら霊夢は自殺するか魔理沙に殺されるかなあ……。

あるいはそうだ、霊夢が死んだら困るということで紫か何かによって魔理沙とアリスがブチ殺されるかもしれません。ここからハッピーエンドは……まあやれないこともないのかもだけど、きっついよね……。そこらへん八雲紫は、自覚的かつもう少し穏やかなデウスエクスマキナと化すことができるのですね。

まあようするに初見では、「なんかこういうことになっちゃっても紫がギリギリのところでなんとかしてくれるぜ霊夢さん幸せだひゃっほーい!」的な印象を得たのです。もちろんそんなことはありませんねワロス

後に記されるのですが、博麗霊夢の失恋と暴走を『楽しく』見守っていた八雲紫さんですからね。ここらへんもう一度紫の視点に立って考えてみるとすげーわかりやすいですけども。この八雲紫の情感は言葉にしてみると矛盾しているようだけど、間違いなく存在しうる。だってぼくらがそうですからね。

なるほど可愛そうと可愛いは同じなのですね。『これ以上なく愛しい』博麗霊夢の失恋と暴走を『楽しく』『哀しく』見守る存在。この感覚がわからない人ってのはやっぱいるんだろうか……同じような例としては、ヘルシングの少佐の演説を連想します。「諸君 私は戦争が好きだ」で始まるアレね。

その一節。「露助の機甲師団に滅茶苦茶にされるのが好きだ 必死に守るはずだった村々が蹂躙され女子供が犯され殺されていく様はとてもとても悲しいものだ 英米の物量に押し潰されて殲滅されるのが好きだ 英米攻撃機(ヤーボ)に追いまわされ害虫のように地べたを這い回るのは屈辱の極みだ」……。

そのすべてを愛しいとおしみ楽しみ悲しむ感覚。戦争に勝つことだけを愛するのでなく、戦争そのものを愛するということ。無残に打ち砕かれ守るべきものが蹂躙され屈辱に膝をつくそれもまた戦争の一部であり、心から悲しみながら、愛し楽しむという……そういうものがここにありますね。

「博麗霊夢と幸福論」における八雲紫も、イメージ的にはだいたいこういうものかと思われます。この参にして惨の話の霊夢を悲しみながら楽しみながら見守り、そして最後に手を差し延べるのですが、もちろんどこかに手を差し延べない話もあるでしょう(←これがこの話に救いのない所以でもある)。

(再現される林檎のリボンは悪意なのか善意なのか。善意と信じられるならば、あるいはそれは救いなのかもしれないけれど。悪意を疑ってしまう程度に、八雲紫に自分を同調させてしまっているならば……そのままだと、このお話に救いを見出すのは難しそう)

(ここらへん、紫色のクオリアに比して救いが無いと思えるところ……まあこれは向こうに比べていろいろメタってるし条件も違うけどそこらへんきっちり考えるには眠い。しかし少なくとも、紫色のクオリアでは、この林檎のリボンは間違いなく善意なのですよ……)

惨たらしい話についてはひとまずこのくらいなのでしょうか……あ、お話そのものについては、レイマリアリ+紫絡みのレイプものとか大好きなんですごく楽しめました。特にレイマリのような「人間組」がボロボロになるお話は超好きなのです……(まさに紫

そして追われる恋路、おめでたい話に続きますという……(ねむねむ。今日はここまで……


※(ここで一日中断。ここから翌日朝)


制限時間十分くらいで追われる恋路のお話。結婚、のお話。

エロいお話(個人的にはアリスのお話の方がエロ部分は好き。だって霊夢がぐちゃぐちゃだし)。 霊夢がまっとうに幸せになることを予感させるおはなしで、なんとなく萃香のそれと似通ってる感があるかもですね。何が違うのかというと、まあ、エロいですよね。

萃香の話との違いについてもちょい詰めて言うと、萃香が子供っぽい感じで、文は嫁さんだか旦那さんだかな位置づけっぽい感じなのが。このへんたしか、萃香の話に萃香:子供的な印象をわりとそのまま植え付けてくる台詞だか描写だかがあった気がする。制限時間あるので確認はしない。

対して文は、まあ文の話そのものが追われる恋路をキーとしている部分があるので……そう、恋。恋愛なのですね。だからエロい(どーん)。 だから子供の話も出る。そしてこれ以上なく健康的に「結婚」をするこの舞台で、「妖怪だから先に死ぬことは無い」「最後までばっちり写真に収める」という

霊夢に対する結婚の、この作中での意味合いみたいなものがこのお話で示されていると受け取っています。んで、子供の話も出るのですね。霊夢と文の子供。ここまでくると自然、これまでの三つの話が霊夢の幸せを描くパズルのピースだったのではないかという想像がなんとなくですね……

子供と一緒に、のんびりと日々を過ごすこと。愛すること。愛されること。それは何を分解したものか……とまあ仮定なのですが、それに沿うならば、やはり「最初」だろうかと直感しますよね。壱ですよ。∞ではなくて。なんか萃香の話への理解が以前とは変わってる気もしなくもないけど知らん

大雑把だけどよっつめの話はこんな感じ……(ねむねむ。今日はここまで……

明日の私へのヒントとして書いておくと、いつつめの話はその否定ですね……それらすら否定。幻想郷はすべてを受け入れる。


(感想はここで途切れている)




(その他、いつかの私が残したメモ)

燃えるような恋
次の機会


リンゴとリボンのファクター

ただ追われることを望んだのかもしれなかった

子供を作るという幸せ

わたしはもう助けて上げられないかもしれない

人と妖

冒頭と四作の対応

P132 すべてを受け入れるとはそういうことなのだ

バカみたい。愚かなほうが幸せなこともありますわ。

魔理沙はアリスを好いている


萃香は子供

霊夢はかつて幸せだった


(メモはここで途切れている)


東方同人誌感想「like a star」「ボーダーライン」「stardust」
 レイマリぃ
 おもについったからの転載です。


・「like a star」「ボーダーライン」「stardust」(poprication)

そういや今日はレイマリ本に浄化されたのでそれについて垂れ流します。サークル「poprication」の「like a star」「ボーダーライン」「stardust」の三作品です。

「like a star」は以前メロンで見かけて「おっ」と思ったのですが、なぜかサンプルがついてなかったんですね……サンプル見ないで買おうとは思わずその場をスルーし、気づけば結局買わずにといった感じだったのですが……夏コミで霊夢島のあたりふらついてたら(続く)

そのサークルさんを発見し、ぱらぱらめくって「予想通り!」となったんで、続くお話である「stardust」および幕間「ボーダーライン」も買ってみた次第です。ちなみに「おっ」と思ったのはですね、「like a star」の表紙、霊夢と魔理沙なのですが、それが(続く)

その霊夢と魔理沙がですね……明らかに! ようじょばーじょん! なのですよ! 幼女バージョンなのですよ! にへらっと能天気っぽく笑う魔理沙、静かに、だけど嬉しそうに微かに笑む霊夢、二人が手を合わせている、そんな表紙……これに好きレイマリの可能性を感じずして何に感じるかとね!

結局、結局ですね、レイマリを描くには幼年期へと遡らなくてはならない……そんなふうに思ってるのです! わりとマジで! そんな私はもう表紙の時点で撃ち抜かれまして……ええ、中身もちゃんと幼女レイマリでしたよ! 霊夢視点! 霊夢の隣に魔理沙が居座るまで、魔理沙の隣に霊夢が座るまでの話!

まあ本文から抜粋したのですが、モノローグ(わりと多めに入ってくる。霊夢の視点固定があるからこそですね)の全般的な使い方に光るものがある感じです。挿入する場所(全体の構図)、丸い吹き出しだったり四角で囲ったり(このあたり名前知らない)だとか、なんかうん、そのへん。

やっぱりね、やっぱりね、霊夢さんは幸せに泣かなくてはならない! 自分的に超王道レイマリで、完全に好みを突かれたわけです……やっぱこういうのもいいもんですね。

ラストで魔理沙が「忘れてる」のは伏線かな……?(自分的メモ

んで幕間「ボーダーライン」。レイマリ前提の咲マリ、魔理沙いじめってことで。魔理沙の弱さについて。あるいは咲夜の弱さについて。ここらへん咲夜さんが「弱い」キャラになってるんですが、それが魔理沙と共振してと。なるほどちょっと面白いキャラ関係性……ここらへんの抽出は(続く)

秋にシリーズ最終作が出るらしいので、それと合わせてやろうかなと。……咲夜さん出てくるかな……?

そして「stardust」。時は現代へと戻り、レイマリはさらなる王道へと回帰する……魔理沙視点、まーじで王道なレイマリです。マリレイか。このラストで魔理沙が泣いたから、最終作のラストでは二人して泣くはずです。ゼッタイ(ぉ

うふふ四作目が楽しみ……砂糖菓子なんて造形はいらない、砂糖そのまんまのレイマリ。どんなふうに締めてくるのかしらん


東方同人誌感想「Witch of Life」「RAINMAKER(2) 風の又三郎」
 感想と言うよりかは読む上での私的備忘録ですね。
 おもについったで垂れ流したやつの転載です。


・「Witch of Life」(にわかあめ)

というわけで、「Witch of Life」を読んだのです──アリス教だ! みんな逃げろー! いや読めー!

まずはまずは、ものぐさアリスがかわいいのです……いま私もそんな感じでアリス書いてるので、もうほんと胸がキュンキュンしました。序盤で「乙女」という単語が出てくる回数をついつい数えたくなってしまった。

氏の作品には、後書きにもあるとおり日本神話パロディ的なのが多い感じなので、正直わかんぬぇわかんぬぇけどすげえっていうなんともミーハー的に圧倒されてるのが常なのですが、さて今回はわりと洋風ってことで、いつもと比べてわかったかなーというと、なんとなくわかった気がしないでもないですがやっぱりどうだろう。歴史とかもうちょっとまともに学んでおけばよかったってか私は文系でもよかったんじゃないかとたまに思う……。

アリスがかわいい、アリスがかわいいぞぉってことでだいたいいけます。いまにして思うとやっぱり、「アリスのための物語」にはわりと常に陰鬱な雰囲気が付きまとっていたのだと思う……この作品にそれがないのかといえばそういうわけでもないのだけど、うーん、ここに関しては「Witch of Life」よりも「アリスのための物語」について語る感じになっちゃうかな。どちらかと言うとこっちが普通なのだと思う。あっちのアリスさんが狂気。

そして魔界でのアリスさんの生活の描かれっぷりが楽しい……基本的にはほのぼのベースのお話に見えるかも。さすがに怪綺談はプレイできてないんで、この辺のは普段あまり考えてなくて、ほとんど想像になるだけに余計に。全体的には「グリモアの少女」を彷彿とさせるつくりかも……。

あとアリスを描く物語の場合、旧作とWIN版の境に関しての解釈が垣間見られることが多いですが、いまのところ平行世界系か時間超過(跳躍)系、あるいは普通に年表通りってのをよく目にするかも。平行世界系だと幽香との繋がりが描かれやすいような気もする……幽香は旧作からWIN版にかけて、アリスと同様に「変わっている」キャラだからかな。幽香視点でこの境のことを書いた作品って何かあっただろうか……。

んで、も一つ興味向いたのとして。アリスが神綺の後追いというか、同じように(この作中でのそれが「同じように」かというとたぶんぜんぜん違うけどそれは別として)神になるっていうこと自体は、わりかし直感的に線上に浮かんでくる……「Witch of Life」内ではアリスは神綺と「違った」(いや細かく言うとどうかなこれも)ものとしてそこへの道が開けるけど、同じものとして、神様に「なってしまった」という方向で私は頭を働かせてみたい……かも。

なによりともかくアリスかわいかったよアリス。というくらいでひとまず、「Witch of Life」について、お終い。





・「RAINMAKER(2) 風の又三郎」(雨山電信社)

というわけでRAINMAKERの二巻を読んだのですよ。いやもう最高です……だがみんな、浮き足立つなよ! これたぶんやってることはかなり王道のレイマリですよ! かなり王道のレイマリですよ!

やってることはおそらく王道のレイマリ……とするとどこが特徴的なのかというと、「それ以外の全部」です。いやあるいは、それすらも含めた全部なのかもしれない。

なぜなら……巷に溢れ、数々の良作を送り出している「東方を読み込んで再現あるいは再構成する」というパターンを越え、「東方を飲み込んで再創造する」の域までたどりついてるんですね。ある意味これこそが正しく二次創作なのだと個人的には思います。

でまあ、この「再創造」によって発生する面白みやその仕組みに関して解説するには、どうやら「RAINMAKER」よりも、既刊の「THE WORLD IS NOT ENOUGH」の方がやりやすそうなのですが……でもこれ自分もパク、じゃなくて自分でも武器として使っていく気なので解説しない。

その解説しない部分については置いといて、シリーズというか雨山電信社さんの作品通しての魅力について言及するなら、やはりこの幻想郷世界観……SF的と言ってしまっていいのかな。この、夜の闇と科学の光が適度に絡み混沌を為している、描かれる世界そのものが素敵すぎます。

(まあこのあたり、個人的なアレをいってしまえば、デジモンアドベンチャー的というか……ゲームのデジモンワールド、あれのファイル島という混沌の世界が大好きでして、要するに個人の好みベストフィットなのですね)

もうちょい細かいとこ、各キャラについて……というか二巻はもう初っ端の二ページで撃ち殺された感があってやばい。たぶん、たぶんだけど、のっといなふも含めて霊夢の内面が描かれたことがあっただろうかっていうね

すごく真っ直ぐで、ある種単純で、だからこそ物語のうねりが恐ろしい……願わくばハッピーエンドで終わって欲しいと、そんなことを思うくらいには入り込んでしまっています。だって、霊夢は、まだいくつも欠けているところはあるかもしれないけど、それでもきっと、「人間」になったのでしょう?

そして阿求も……どす黒い、本当にどす黒さが染み出るようなひとになっていますが、それでも「悪」には見えない。これもたぶん、のっといなふと……同じ精神性というかな、少なくとも近いそれが透けて見えるように思います。まあ最終的にわりと酷い目に遭いそうな感じもしますが……

酷い目といえば、リグルはちょっと笑ったw ていうか妹紅はチョイ役なのかな……さすがにこれだけではなく、もうちょい先でも出張ってきそうだけど。しかし一巻の流れに対して、うどんげの出番が無かったなあw あのうどんげ好きなんだけどw

(そういや結局のっといなふと繋がってるのかな……RAINMAKERの次にのっといなふが来ると仮定すると、今のところ齟齬は無い……っけかな? ちょっとのっといなふ読み直すか……)

(サブタイが宮沢賢治っていうのは北都祭で人比良さんに聞いて知ったっていうか宮沢賢治くらい読みましょうねわたし。次回は四巻中の三巻で「銀河鉄道の夜」とのこと。「最終巻が銀河鉄道の夜なら魔理沙は死にます」とすごくいい笑顔で人比良さんは仰っていたが、はてさて……)

ただ、魔理沙の描き方は、のっといなふと繋がってるよねこれ……少なくとも同一世界観パラレルとは思って読んでます。たしかにのっといなふではちょっと欠けてたというか、うーん、全体テーマの中でリグルと対比させて、なんとなく想像させてた部分? 魔理沙についてそこまで具体的ではたぶん無かった。

(具体的で無かったと言うのには抵抗があるな……あれはあれでちゃんと描いてたと思うし。ただ今回は、それに増して具体的、かつ説明的というか。全体テーマとしては前回とも通じつつ、今回はその枠の中に霊夢も組み込まれそうで、だから怖い部分がある……しあわせに終わってくれたらいいなあ)

そんな感じで、雨山電信社さんの「RAINMAKER(2) 風の又三郎」についてでした。いま現在東方の漫画同人でもっとも楽しみにしているシリーズです。癖が強いのでとっつきにくいかもしれませんが、みんなぜひとも読みましょう!


東方同人誌感想「アリスのための物語」
 おもについったで垂れ流したやつの転載です。
 読んだ東方同人誌(漫画、SS問わず)について、なんか気が向いたときに適当に書いたりしたやつです。
 記事タイトルに「感想」ってあるけどたぶんあんま感想ちがう。



・アリスのための物語(La Mort Rouge)

「アリスのための物語」読了──ラブコメだ! みんな逃げろー! いや読めー!

というわけで「アリスのための物語」です。文庫580ページ超、しかもこれ一ページあたりの文字量が普通の文庫小説本より多い気がする。超大ボリュームです。その大ボリュームで何をしているのかというと、もちろんアリスの話です。

アリスの話──そもそもアリス・マーガトロイドとはどういう存在かという定義に始まり(当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが)。 幻想郷におけるアリスの物語の始まりから、そしてまたひとまずの始まりへと、それらをアリス一人称ですごく丁寧に描いていったお話。

そう、すごく丁寧です。伏線……いや読みながらはっきり引っかかるあたりだから前振りと言いたいかな、ともかく、読んでて途中で引っかかるようなことはまず回収されるし、あと、細かな描写がすごく丹念に為されてて、描かれてる世界を汲み取りやすい(そうでなければここまで長くはならない)。

(ただ、丁寧すぎるのに難があるかもと感じたところは否定できない……エピローグがほとんど種明かしオンリーになっちまってたりもしますし。どうなんだろう、狂気を描くことと、ある種三人称的な描写の丁寧さは、もしかしたら両立しがたいものなのかもとかちょっと思いながらでした)

狂気を描くというのは……特に、一人称で狂った当人を描くというのは、本当に難しいよなあと感じます。というかたぶん、「ああ、このひと狂ってる」と思われたらその時点でタイムリミットが発生するような気がする……主人公が狂っているのだと理解されてしまったら、(続く)

物語そのものを滑稽なものに見せようとするベクトルが、どうしても働いてしまうと思うから……余程のことがないかぎり。そしてこの本に関して言うなら、丁寧な──というより単純に言って長い、その一事と重なって、「アリスさんがあからさまに間違った理解をして暴走する話」を(続く)

けっこう長い間見ることになる……もちろん、そんな「あからさまな間違い」をしてしまうようなものこそが、アリスさんだったということなのだけど。……うむ、うぬ、何か読み間違いをしているような気がしてきたぞ。

プロローグを読み返すべきのような気がしたんだ。

一つ仮説が生まれたんだけど、これ検証するには再読しなくちゃいけないお……ちょっとそれはきつい、少なくともいまは。

というかたぶんちがうかなこの仮説は……うん……。

お話のつくりに関して。旧作設定に関する作り方が面白い(設定無視してるとも言えるけどw)のですが、パッと見るとねじれがあるように見えるかもしれません。旧作すなわちアリスの過去話(ていうかこれだけで一つの話としては十分かもしれないレベルなんだけど)と、現代の話の間に。

と言うのも、過去話は、アリスがいろいろなものを得ていく感じの話だから。世界に出て、人形遣いに師事して。それが語られるのが、全体四章のうち第二章と第三章。第四章冒頭で、神綺とアリスが出会った際のことが綴られてるのも含めて、そういうイメージを喚起する。

過去話は過去話で、一つの完結のかたちを見ているのですね。アリスは世界に出ていろいろなものを得て、最終的に失ってしまったものもあるけど、この先がんばっていきましたはいおしまい。……といった感じに、これはこれで、ある種の正しさを孕んだというか、それほど違和感の無い結末ではあるのです。

だけど現代において物語は再開する。師のもとで(以前に比べたら)強くたくましくなっていったはずのアリスは、それらをどこに忘れてきてしまったのかというように、卑屈で、臆病で、弱くて、自分からどんどんぼろぼろになっていきます。これなんも考えずに見ると何か違和感あったんだけど、(続く)

でもまったく当然のことなんですね。なぜなら、この物語のアリスにとって、旧作と現代の境にあったものは、孤独でしかなかったから。

百四十一番目のアリスが精神的な死を発現。前体までとの有効な差分無し、即時消去。(作中七十七ページより)

あの過去話は、「得たものも失ったものもある、だけどがんばっていくよ」ではなく──実は「得たものはあるけど、失ったものが大きすぎる」終わりなのですね。アリスの実感として現れてはいないから、この本の中で描写されることは無いけれど。

なぜならあの終わりのあとで、アリスには誰も残らなかったから。

過去話から現代までの間に、アリスにはおそらく百を超える死があった。(作中五百二十七ページとか参照) アリスによって語られる部分に比べて抽象的に描かれてるのでなんとなく読み飛ばしたくなっちゃうけど、そこのところ前提しておかないと、過去と現在が入り混じったこの話の理解がぐにゃぐにゃ。

過去話ラストでは、アリスのそれまでの繋がりが切れてしまうことがすごく強調されている。現在時点のアリスはとっくのとうに壊れていたのであって、なるほど第一章で永琳の元に向かったのは、とんでもなく正しいことに思える。

閑話休題。メディスン治してくところは読んでて面白かったな……あのへんはどちらかというと、アリス視点よりメディスン視点で物語を咀嚼し、想像している自分がいました。おそらく人形遣いよりも長く生きていく、人形の物語。メディスンもなかなかありやね……。

マリアリ……いやアリマリ? としてもド直球なので、カップリング好きな人も読める話だと思う……というかここまでマリアリアリマリっぽくなるとは思ってなかったので、正直ちょっとびっくりでした。魔理沙かわいい。

氏の既刊は「少女と少女と少女の偽」のみ既読なんですが(例大祭で既刊全部買ったのでたぶんそのうち読む)、前作に存在した、キャラ作成へのある種の公平性のようなもの(日本語適当)はちょっぴり薄れてる感があるかも……だから悪いとは言わないけど、そこらへんやや驚きつつ読んでましたとさ。

氏が霊夢視点で書くお話とか、読んでみたいなあと思うのでした……上手い作者さんには、霊夢を描くことを期待してしまう。

あと、伏線……というか、作中での物事の関連付けかな(スクランに多かったようなやつ)。 けっこう頻繁に見られた気がするけど、さすがにいちいちはメモしてないので……再読した時には、まあなんとなくわかるだろう。

あえて一つ挙げるなら、裏表紙からしてそうであるような。(第四章ラスト) ……これは違うかもしれないけど、そうであるような気がする。

六十年前は全ての終わりを示していたけれど、同じ光景だというのに二人の弾幕は目映いくらいの始まりと、これからを示していた。(作中より)

つまるところ、そういうお話だったということ。この先は──世に溢れるマリアリ寿命ものみたいなあれこれが、あるのかもしれないしないのかもしれない。大丈夫だと言い切ることはできやしないけど、うまくできないかもしれないけれど、アリスの中に積もっているものはきっとあるから、みたいなお話。

とまれこんなもんでひとまず、「アリスのための物語」について、お終い。


東方同人誌感想「夢から、さめる」「Week End」
 おもについったで垂れ流したやつの転載です。
 読んだ東方同人誌(漫画、SS問わず)について、なんか気が向いたときに適当に書いたりしたやつです。
 感想としてちゃんと書こうとしていた時代もあった。



・「夢から、さめる」「夢へと、しずむ」(DreamWish)

「夢から、さめる」が前回の冬コミで出た小説同人誌で、「夢へと、しずむ」はそれと連動したWeb連載ですね。http://www5c.biglobe.ne.jp/~D_Wish/index.html

こちらのサイト「DreamWish」さんでは、既刊公開みたいな感じだったりでちょこちょこ面白い東方SSがあってオススメなのです……。

さて「夢から、さめる」ですが、まずマリレイ風味でかつ滅亡系ってことで、個人的好みとしては超ベストフィットなわけで……超要約すると、主人公魔理沙で、幻想郷か霊夢かという選択を突きつけられちゃったりする話なのですね。

ひとり抗う魔理沙なのですが……この抗い語ってのがすごく真っ直ぐなんですね。真っ直ぐすぎて、途中までは違和感があるくらい。幸福なことに、霊夢の側に、ゆれる描写と言うのが一切存在しないわけではありません。……がしかし、

もしも霊夢の側にそれがなければ、魔理沙はもう、道化というすら優しいほどに滑稽な存在じゃないか。……いや、あえて言うなら、霊夢の側に揺れがあるのは、ただこの物語における偶然の優しさでしかない。これは『偶然にも』優しい物語だけど、しかしあまりにも悲しくて滑稽な物語じゃないかと、

そんなことを思ってしまうくらいには、あまりにも魔理沙が真っ直ぐな話。……だけどこれが、意外なほど鮮やかにひっくり返される。

一文のための、たった一言のための物語。これはそういうものだった。後書きに「元々は『霊夢の話』を書こうと思って」とあるけれど、なるほどこれは霊夢の話……霊夢の解釈に基づいた話だった。

一文のための、というにはちょっと長いかもしれないな……「STAGE-4 楽園の素敵な終焉」のための、というべきか。これ見る人によってはちょっと突拍子もなく感じるのかもしれないけど……私もわりかし霊夢解釈とかもにょもにょ考える人なので、これはけっこう自然に受け止められた。

たった一文で無理に理を通すってことをやってみたいもんです……いやはや。

「夢から、さめる」はわりかしマリレイな話なんで……幻想郷の崩壊って事に関しては、「夢へと、しずむ」の方でオムニバス的に触れられてる感じ。これもまた、阿求の一言にハッとさせられた感じ。思えば「東方鬼国灯」もそんな感じだった気がする……たぶんこの人、それが上手いんだなあ。

ひとまずこんなくらいにしておきますか……まあ「夢から、さめる」の方はもう通販死んでるみたいですがー。




・「Week End」(穂積名堂)

というわけで「Week End」を読んだのでした……が、わかるようなよくわからんようなで、いかんなあ、最近速度重視で読んでるのもあるのかもしれないけど、考えて読むってことをぜんぜんしてないなあと。

良い意味か悪い意味かわからんけど、とりあえず350ページ超読んだ気がしない……改行空白多いタイプの文章だったからかもしれないけど。読みやすいと感じたのは確かかも……。

んー、なんだろこう……私が『知らない』フランドールの物語って感じ。だからコメントしにくい……『気づかなかった』ではなく『知らない』だから。ぜんぜん違う場所で戦われてる感が。

なーんかしっくりこないな……これハッピーエンドじゃなくねーかなと思うんだけど、そこらへん考えるための土台である作中設定の読み込みがいまいちできてないっていうか……あーこりゃ不毛な気がしてきた、たぶん『他に手はなかったのか?』という思考に近い。

ってことはハッピーエンドじゃないんだなこれは。トゥルーエンドとすらいえない。作中にもあったけど……もうとっくに間違えちゃってて、どうにもならなかったお話か。紅魔郷を絶望で覆うお話。

なぜなら……なぜなら、うん、ここらへん作中設定の読み直しがめんどくさいのであやややややだけど、これは、フランドールを殺すお話だからだ。レミリアが縋り続けていた可能性をついに断つお話。週末にして終末。

うむ……なんかひとまずこの理解でいいような気がしてきたぞ……いや、あれ、どうなんだ? アレは「分離」であってすなわち救いなのか……でもそうだとするとなんか根本的に設定がよくわからんし、ってことはたぶん救いじゃないってことでいいんだろう。

何も考えずに読んだら甘ったるい話なんだけどな……それでいいのかなほんとに……? という感じのお話でした。私はどちらかと言うとバッドエンド支持……。

レミリアは果たしてフランドールを殺すことで、『ゼロ』に戻していたのか。妹に寄り集まったものをそぎ落とし、コンマゼロゼロの妹を保持していたのではないか。だけどフランドールはもういない。既に、十や二十が積もってなくなることはないから。

「Week End」 ひとまずお終い。


東方同人誌感想「遠野発 岩手銀河鉄道」「シュレディンガーの箱庭世界」
 おもについったで垂れ流したやつの転載です。
 読んだ東方同人誌(漫画、SS問わず)について、なんか気が向いたときに適当に書いたりしたやつです。
 だいたい感想になってない。

 今回は秘封ちっくな二冊。



・「遠野発 岩手銀河鉄道」(Feather's Snow)

どうなんかな。この蓮子とメリーの関係性……というか、能力関係性解釈か。これってありそうで今までないのかな? 見たことあるような気もするしないような気もする。

うーん、おそらく、「作品としては珍しい」のかな。考察界隈では既に目にしていたか、あるいは自分の頭の中で断片レベルでは構成していたか。こういう考察っていうか解釈かな、それを話の中に突っ込んでくるのって意外と珍しいようなそうでもないのだろうか。

こんなふうに、作品の真ん中に「解釈」を突っ込んでくるのは(多少わかりやすすぎであろうとも)好き……特に秘封なんてのは、原作側から出されてる宿題の一つですしね。こういうのはもっと見たいかも。

ただ、真ん中に解釈を突っ込んできてて……そう、「真ん中」がすごくはっきりしてるのがこの作品の良いところであり、物足りないところかも。中心が強すぎて、そこから伸びるいろいろな枝葉をスッパリスッパリ切り落としてる。……というか、芽だけ出してそこで終わる話であるというべきか。

しかしこの解釈に関しては、「秘封倶楽部の関係性」に対する一つのアンサーとしてはちょっと参考になる気がしないでもないけど自分なりにまったく別のアプローチでやっちゃってるのでそれはまた別の話ということで、結論、ほどほどの長さでいい感じに楽しませていただきましたどっとはらい。




・「シュレディンガーの箱庭世界」(ゆめかばん、白上さん家)

さて……秘封SSを読んだ時、というか秘封”本”を読んだ時かな、主に秘封クラスタ、秘封病の人たちの作品を読むと、「夢」とか「現」とかいう単語あたりがゲシュタルト崩壊するのはよくあることなもんで、このへんのひとたちのを読むときは心を強く保っておかねばなりません。

作品に翻弄されないようにするって言うかな……ある種つまらない読み方ではあるんだけど、そうしないとわけわかめになることがままあるもんで。さてシュレ箱はというと、まあ上下詐欺から想像できていたとおり、高校生の蓮メリが出てくるわけですね。

どうなんだろう……ここで普通はどんなことを思い、疑うべきなのかな。私は何も考えずに読みましたが。「シュレディンガーの箱庭世界」というタイトルから考えて、幾つかの可能性を想定した程度。

すなわち、「現と現」「現と夢」「夢と現」「夢と夢」の四種。タイトルから素直に考えて「現と現」の話かなーと思いながら読んでました。

しかしまあ、秘封世界における「夢」とはなんなのでしょうねぇ。

私はこのシュレ箱と……創想話ラグナロクの「童祭 ~ Innocent Prayers」を良い機会として、脳内でいろいろ整理してだいぶすっきりしたんだけど……いやはや、「夢」とはなんなんでしょ。

夢の中のワタシがワタシと同じ別物であるなら、それはもう普通に平行世界だしね。

私は蓮子派です。夢と現は別のものよ。……そしてもっと言うと、夢は現に従属するものだと信じて疑わない。

シュレ箱に対する最初の直感的理解は、「偶然にも『夢』を共有した、現と現の物語」でした。

ただ、夢であろうがなんだろうがいろいろひとまず脇において……天使さんがよくわからなかった。まるで客観であるかのようで、存在そのものがよく分からなかった。

エヴェレットの多世界解釈ってなんじゃっけ(知識の無さを露呈露呈

んんん……エヴェレットなんちゃらをローディングしつつ考えるとどうなるんだ、ちょっとよくわからんな。

私の中では、こういう多世界系の軸と、秘封における夢現の軸とはまったく別物なのです……。

よーし  よくわかんなくなってきたので投げる



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